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かぎろひNOW

悠久の奈良大和路を一歩ずつ  風景、もの、人…との出会いを楽しみながら

弥生の里~くらしといのり~ 

見たい見たいと思っていた奈良県立橿原考古学研究所附属博物館の春季特別展「弥生の里~くらしといのり~」。

タイトルを見たとたん、昨年御所市で発掘調査された「中西遺跡」を思い浮かべました。
やはりチラシも中西遺跡

弥生の風チラシ


発掘現場を見るのは好きなのですが、そこから当時の状況を頭の中で復元するのはなかなかに難しいのですよね。専門家の説明を受けたり、資料を読んだりして、勝手に想像をめぐらします。

ところが、中西遺跡の場合は、結構容易に里山風景のイメージがわきました。
2000年以上も前の弥生時代がそこにあるような感じさえしたものです。

中西遺跡レポート(2010.8.7)


洪水によって一気にパックされて埋まったため、弥生時代の森林がそのままの状態で出てきたことに驚きました。

中西遺跡森林


昨年、現地説明会の後、ブログでもやや興奮気味にスゴイと書きましたが、今は一瞬の洪水で犠牲になった弥生人の身の上を思って胸が痛みます。


5月15日、朝一番に家を出て、「今井町並み散歩」の前に、橿考研附属博物館をのぞくことにしました(建物の背後は畝傍山)。

弥生の風2



昨年、現地説明会会場で、このような復元イメージ図を目にしていたので、博物館には必ず復元模型があるぞっ、もしかしたら1室まるごと弥生の風景なぁんてね、などといろいろに想像しながら入館しました。

中西遺跡イメージ図


ある意味、想像以上にスゴイことになっていました008.gif



見学後はすぐに今井町へ向かう予定だったのですが、「これから学芸員による説明会があります」というではありませんか。せっかくのチャンスなので、約1時間、説明を聞きながらもう一度展示物を見ました。

これがたいへんおもしろくてわかりやすい説明だったので、メモを見ながら、ちょっと紹介してみますね。
写真がないのが何とも残念なのですが。


トップに展示されていたのは弥生時代の男性の顔。
唐古・鍵(からこ・かぎ)遺跡(田原本町=たわらもとちょう)から出土した人骨から復元したそうで、縄文人のイメージとは違う、なかなか細面の渡来系(?)しょうゆ顔でした。

そのお隣は弥生式土器。
東京都文京区弥生町で発見されて、“今までの縄文土器とはちょっと違うぞ、じゃこれを「弥生式土器」と命名しようではないか”、というきっかけになった土器なのです。本物ではありませんでしたけどね。

学芸員さんの話によると、この弥生土器、最近の研究では、古墳時代のものかも、ということになっているらしいですよicon10


登呂遺跡(静岡県)出土の「ネズミ返し」(写真はチラシから)。

登呂遺跡ネズミ返し


高床式倉庫などに付けて、ネズミの進入を防いだものだと言いますが、なぜか、奈良県内では見つからないのですって。

戦後いち早く発掘調査された登呂遺跡では、弥生後期の集落が発見されました。
高台に集落、その下に水田が広がるという状況がわかったのですが、「弥生時代から戦前まで、農村風景はさほど変わらなかったのではないでしょうか。道具の差はあるとしても」とおっしゃった学芸員さんの言葉が印象に残りました。

竪穴式住居の復元模型も興味深いものでした。
八尾南遺跡(大阪府八尾市)の調査で、竪穴式住居の中が具体的にわかる発見がありました。1mほど掘り下げられた住居からはしごをかけて出入りしていたことがわかったそうです。

もちろん、中西遺跡の扱いも大きいものでしたよ。
なにしろ、弥生時代の、水田から森へつながる里山風景がわかった日本で初めての発見といっても過言ではありません。
逆に、中西遺跡の発掘があったからこそ、今回の特別展につながったのではないでしょうか。

中西遺跡の水田風景(2010年8月7日撮影)

中西遺跡水田


現代の田んぼと違うところは、1区画が狭いこと。
せいぜい3m×3mとか2m×5m、だいたい10ha程度の大きさなのだそうです。
なぜかわかります? そのわけを教えていただきました。

現代のような耕耘機(こううんき)がないので、地面を平らにすることは至難の業。傾きがある土地では大きい田んぼだと、水が全体にいきわたらないから、なんですね。説明されると、なるほどぉ~。


第2展示室はもうびっくりの連続。
入ったとたんウワッ。動物園か生物学室かという感じで、一瞬たじろぎます。

唐古・鍵遺跡ではさまざまな動物、魚、は虫類、昆虫…の骨が見つかっています。
特定できたものが、たくさんの剥製(はくせい)になってそこに展示されていました。

剥製とはいえ、やはり迫力があり、わかりやすいものですね。タヌキ、キヌネ、ムササビ、サル、モグラ、コハクチョウ、ニホンコウノトリ、ニホンシカ、チョウゲンボウ…たくさんの動物がいました。

オオサンショウウオやアオダイショウの瓶詰め標本などもface07


暮らしの中心に稲作があったとみられる弥生時代。農耕儀礼についての展示などもありました。
おんだ祭り、野神まつり、水口まつり、虫おくり…

奈良県立民俗博物館や橿原市昆虫館ともタイアップした展覧会で、幅広い内容になっています。
小学生のお子さんも楽しめるのではないでしょうか。ご家族でどうぞ。

そうそう、中西遺跡は当時の里山風景が3Dの映像に復元されていました。


※春季特別展「弥生の里~くらしといのり~」は6月12日(日)まで

奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
奈良県橿原市畝傍町50-2
TEL 0744-24-1185
FAX 0744-24-1355
http://www.kashikoken.jp/museum/top.html

第2展示室でコウノトリのはく製を見て、その大きさに驚きました。こんなに大きい鳥だったんですね。

←タイムリーにも、5月19日付の朝刊で、弥生時代の水田跡から国内最古とみられるコウノトリの足跡が見つかったと報じられていました。








関連記事をアップしておきます(産経新聞より)。
(クリックで大きくなります)





あ、新聞記事にある神戸市灘区出土の桜ヶ丘銅鐸(国宝)も、「弥生の里」展に出陳されていたのでした。
新聞にある5号銅鐸ではなくて、第1号の流水文銅鐸ですが。

関連記事
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Posted on 2011/05/19 Thu. 22:41 [edit]

category: 展覧会

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コメント

 

リンネさん
こんばんは
コメントありがとうございます。
「古代葛城へのいざない」は、私のほうにも「創」さんからご案内をいただいていました。
当初は行く予定にしていたのですが、締切が目の前に迫っていたので、あきらめた次第です。
御所、目が離せませんよね。行きたい所がいっぱいなんですが…
クワガタ、橿原へ行く用事ができたら立ち寄りま~す。

URL | かぎろひ #79D/WHSg | 2011/05/30 22:38 | edit

 

こんばんは
先日28日の御所の「古代葛城へのいざない」の講座では秋津遺跡から先日発見された縄文クワガタが話題になっていました。
12日まで橿原考古学博物館で展示しているようですので、見に行って来ますね。
縄文時代晩期のクワガタの遺骸がほぼ完全に残っていたとは驚きですね。

URL | リンネ #79D/WHSg | 2011/05/30 22:28 | edit

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