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かぎろひNOW

悠久の奈良大和路を一歩ずつ  風景、もの、人…との出会いを楽しみながら

小川光三写真集 やまとしうるはし 

旧知のOさんから突然「かぎろひさん、写真好きでしょ」と電話がかかってきました。
「はい、好きです」とワタクシ。
「よかった。じゃあ、小川光三さんの写真集、もらってくれない?」

Oさんがおっしゃるには、断捨離中だが、この本を手放すのは惜しい。誰か気に入ってくれる人がいれば差し上げたい、と思って、ワタクシが浮かんだとのこと。

もともと、30年ほども前に亡くなったお友達のお舅さんが残されたものを、Oさんが引き取られたものなんだとか。
お手紙には「お電話でかぎろひさんにお話ししたことで、この本の幸せな運命が決まり喜んでいます。亡くなられたお舅様もきっと喜ばれるに違いないと思います。」とありました。
いやはや、恐縮至極ですが、うれしい限り。

このほど、拝受。豪華本!

200831やまとしうるはし

200831やまとしうるはし2

小川光三さん(1927-2016)の写真は、お寺の本で出合ったり(⇒)、白洲正子さんの著書に登場されていたりするのを見たことはありますが、ワタクシにとっては古代史研究家のイメージが強くて、実は写真集は初めて。

小川さんは「奈良八重桜の会」の顧問を引き受けてくださっていたので、歴史にまつわる講演を聞いたり、小川さんを講師とするバスツァーに参加したことを思い出します。「奈良八重桜の会」10周年記念誌にはお言葉も頂戴しました。

200831奈良八重桜


「やまとしうるはし」は奈良の歴史をたどるような写真集で、ワクワク。

トップの見開き

200831見開き
↑高塚遺跡より望む都祁の昇陽


都祁野岳が続きます。

200831都介野岳


「太陽の道」に注目されたことでも知られます。

二上山

200831二上山

巻末の「撮影ノート」は、歴史書を読んでいるような感じがあって、小川さんならでは。図入り。

「歴史を撮る」と題した小川さんの文章を紹介します。
三輪山や二上山のたたずまいには、どこか飛鳥や白鳳期の彫像に共通した造形性がある。大和平野の風景を眺めながら、ふとそうした思いがしたのは、風土と造形の関係を気にしていたからであるかもしれない。しかし、大和平野の東と西に対峙するこの二つの山の、曙光に輝き、夕日に照らされる美事な光景を見ていると、大らかなふくらみのなかに、引き締った厳しさを持つ稜線や、堂々と安定しながら、どこか軽やかな崇高さを感じさせる山容には、直線と曲線を巧みに組み合せた様式のなかに、不思議な神秘感と親近感をただよわせている初期の日本の仏像の造形に、共通する何かがあると思えたのであった。


そうして、

そのうち、自分の撮影してきた仏像の写真は、仏像というより、単なる彫刻の写真に過ぎないことに気がつきだしてから、次第に、写真を撮ることを重苦しく感じるようになった。

とも。

写真は被写体にレンズを向けていても、実はその被写体を媒体にして、撮影者の内面に向かってシャッターを切っているのであって、写真で良い結果を得るためには、被写体に対する深い理解を自分の内面に持つ必要があることを物語るものでもある。


大和を撮ることは、歴史を撮ることである。そして、大和に生きてきた人々の心を撮ることだと私は思っている。


小川さんの撮られた阿修羅像は、他で見る写真とは趣が違っていてビックリ。

200831阿修羅像


白洲正子さんが「太陽讃歌」という一文を寄せられています。

時には彼(小川光三)の仕事ぶりを見ることもあり、その度ごとに私は感動した。

ライトをぜんぜん使わない。どんな暗いお堂の中でも、せいぜい鏡か銀紙の板で日光を反射させるだけで、光線がぴたりと合うまで長い時間をかけて待つ。電気は「点」だけしか映さないが、自然光は「面」を現すからだと彼はいうが、それだけなら別に珍しいことではあるまい。黙って待っている間の、祈るような、仏に何か問いかけているような、小川さんの静かな表情に私は打たれるのだ。仏像のみごとな写真を撮る人は多い。が、仏さまを、拝むように撮影する写真家は、小川光三さんをおいてはない。



Oさん、ありがとうございました。
大事にします。
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Posted on 2020/09/01 Tue. 10:18 [edit]

category: 読書

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01

コメント

さすがです 


なむ隊長ゞ おはようございます。コメントありがとうございます。

ブログの1か月連続更新は、ナラ咲く以来12年目にして初めての達成で、やればできるもんやなとちょっとうれしがっています。まあ、ヒマになったということなんですが^^; 

なむさんは小川光三さんの写真集もご覧になっているようで、さすがです。私のほうは実際にお目にかかっていたのに、写真集は初めてで、失礼したような気がしています。

飛鳥園さんのことは気がつきませんでした。気にしておきますね。

URL | かぎろひ #- | 2020/09/02 06:49 | edit

 

こんばんは!

ブログの1か月毎日更新達成、おめでとうございます!
しかも毎回手抜きなしの内容なのが素晴らしいです。

小川光三氏の仏像写真は、ほぼ自然光で、しかも参拝者の目線に近い角度のものが多いと思います。
なので、写真を通して自然と拝みたくなる気がします。

そういえば、小川氏ゆかりの飛鳥園(奈良博前の)、最近営業しているように見えないのですが。

URL | なむさいじょう #xJNZT49Y | 2020/09/01 23:43 | edit

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