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かぎろひNOW

悠久の奈良大和路を一歩ずつ  風景、もの、人…との出会いを楽しみながら

富雄丸山古墳 

国内最大の円墳と話題沸騰の、富雄丸山古墳(奈良市)の現地説明会が、1月26日開かれました。

まずは場所から。



第二阪奈道路の南、富雄川の右岸に位置。
グーグルの航空写真から。

190126富雄丸山古墳地図


周囲は住宅地。開発時に壊されず、よくぞ残りましたね。

明治時代に盗掘を受けたときに、副葬品が多数出土したようです。
それが、京都国立博物館にあり、国の重要文化財の指定を受けている、というのです。

昭和47年(1972)、橿原考古学研究所が発掘調査。
このとき出土した鍬形石片が、京博所蔵品と見事に一致、重文指定の出土品は、富雄丸山古墳からのものであると確定されたのでした。

190126鍬形石



富雄丸山古墳は直径110mの三段築成ということがわかりました。

190126復元図


下から見上げたところ。こんな大きな円墳、初めて見ました。

190126全貌


1段目平坦部

190126一段目平坦面


平坦面の幅は1段目が7.2m、2段目は8.8m。平坦面の中央に円筒埴輪が並んでいました。

1901262段目平坦部円筒埴輪列


斜面は急勾配

190126一段目斜面

1901261段目斜面


それだけに、墳頂からの見晴らしはバツグン!
若草山や春日の山々が一望できました。

190126若草山遠望

↑26日は若草山の山焼きの日。頂上に雪が残っていたので、ちょっと心配しましたが…。
やはり、焼かれ具合はいまいち、ですよね。

国内最大の円墳は、これまで、埼玉県行田市にある丸墓山古墳(105m)とされていました。
富雄丸山古墳はそれを上回る規模と確認されたことで、一気にトップへ躍り出たというわけです。


古墳は4世紀後半とみられていますが、眠っているのは有力者であることは間違いないでしょうね。

出土品は埴輪のほか、管玉や鉄器など。

190126出土品


現地に掲げられていた説明板(地元の人の話では、去年付けられたとか)

190126説明板

ふむふむ、過去に三角縁神獣鏡が出土。現在は天理大学附属天理参考館に所蔵されているのですね。
これも、明治の盗掘時に出たのでしょうか。幅広く流出しているようで。


富雄丸山古墳の特徴のひとつは、最下段に「造り出し」という張り出した部分をもっていること(上図右上)。

これって「帆立貝式古墳」の一種でしょうかね。いや、違うか…それなら前方後円墳になるやん^^;
「茅原大墓古墳」の場合は(2011.2.26現説)、前方後円墳の前方部が短くなった「帆立貝式」ということでした。
素人目にはまるで円墳に張り出し部がくっ付いているような印象をうけたのですが…。

これこれ(以前の弊ブログ記事から)

clip_image149.gif

似てますよねえ。でも、なんか、区別があるのでしょうね。


※当日配布資料(クリックで拡大します)

190126資料1

190126資料2-3

190126資料4
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Posted on 2019/01/31 Thu. 15:04 [edit]

category: 発掘情報・古墳

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