かぎろひNOW
悠久の奈良大和路を一歩ずつ 風景、もの、人…との出会いを楽しみながら
郡山城天守台 発掘調査現地説明会
ブログに載せたことはなかったかなあと、「かぎろひNOW」を検索してみると(笑)、一度だけありました! 2010年5月の記事→こちら
大和郡山市では昨年から天守台整備事業に着手、発掘調査を実施されていました。
昨年10月から立ち入り禁止になっていたのですね。→★
その調査成果が発表され、9月19日、20日、現地説明会が行われました。
もちろん、行きましたとも。
19日、午後から天理取材予定だったので、初回の説明を聞くべく、10時前に到着。
天守台見学は、通路が狭いため、10人くらいずつとのことで、説明を聞いてからじゃきっと待ち時間が長くなるぞと判断、先に見学の列に並びました。

見学後、次の説明まで1時間近くあるので、そうそう!
企画展「郡山城・郡山藩の歴史」を見るために柳沢文庫へ。

現地へ戻ると、ちょうど11時からの説明が始まるところで、ワタクシにしてはできすぎの時間調整となったのでした。
それでは、整理してみたいと思いまーす。
郡山城は戦国時代の天正8年(1580)に、筒井順慶が城主となったのが、その始まりとされています。
天正11年(1583)、急遽、天守閣を築いた記述がある『多門院日記』(興福寺所蔵)が、ちょうど柳沢文庫に展示されていました(複製)。
その後、豊臣秀長、豊臣秀保、増田長守(ましたながもり)と続く、慶長5年(1600)まで、天守閣はあったようです。「渡邊勘兵衛記」などによって確認できると、これも柳沢文庫の展示で説明されていましたよ。タイムリーですねぇ。
江戸時代の絵図などには、天守閣は見られないので、この時代にはなかったとみられています。
※説明会の資料には「天守閣」という言葉がなく「天守」となっていますが、柳沢文庫では「天守閣」と使われていました。ワタクシの時代は学校の教科書でも「天守閣」だったような気がするし、わかりやすいと思うのですが、これは明治になってからの呼称だそうです。というわけで、以下、「天守」でいきますね(笑)
調査の結果、天守の礎石が確認されました。
東西方向に、3列に並んでいたそうです(配付資料より)。

もうすこし大きく(当日の掲示写真より)

現場で


礎石

礎石は一部、後世に取り除かれているものの、23個が確認されたそう。
大型と小型の2種あり、交互に並べられていました。1列に12~13石。
この礎石の上に、長い木材を置いて、柱を据えたとみられます。
1階が7×8間、5階建て相当の天守だったことがわかるそうです。
石垣にたくさん見られる転用材ですが、ここにもありました。

石垣には、すぐ見つかります。

きわめつきは「逆さ地蔵」でしょうか。
↓北側から。写真、右のほうで3人いる所。

天守台を支えるこの野面積み(のづらづみ)の石垣、時代を経てはらみ(ふくれ)出してきているのだとか。危険なので、解体修理されます。積み直しのようですが、想像するだに気の遠くなりそうな作業ですよね。
平成29年3月末まで、再び立ち入り禁止になります。
おっと、付櫓台(つけやぐらだい)のことも、付け足さなければ(笑)
天守台と、手前が付櫓台(当日の配付資料より)

付櫓台では、地階と築城時の入口が確認されました。

模式図

付櫓台の土坑から見つかった土師器皿

天守にともなう遺物として、金箔が残る菊丸瓦の小片が見つかったのも目をひきますね。

郡山城で、金箔瓦が見つかったのは初めてだそうですが、いかにも「豊臣」って感じがします。
以上、説明不足ですので、詳しくは、当日の資料をお読み下さいね(クリックで拡大します)。

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コメント
あら、残念
雫さん
こんにちは!
お昼から天理取材だったので、朝いちばんに行きましたよ。
お会いできなくて残念。もんじゃ焼きでいっぱい、もっと残念^^
天守閣、ってやっぱり言いたいですよね。
かぎろひさんはおられるかな?
探していたのですが、早かったのですね。
我らはもんじゃ焼でいっぱいやって
お昼過ぎに説明会に行きました。
天守閣跡は発掘されて夢が広がり嬉しいですね。
かぎろひさんが説明してくださったので私はのんびりアップします。
それから薬師寺に行き萩の花を見て帰ってきました。
URL | 雫 #- | 2014/09/26 14:06 | edit
賑わっていました
鹿鳴人さん
こんばんは!
コメントありがとうございます。
お忙しい鹿鳴人さんですもの、なかなか現説当日に行けないことも多いかとお察しします。
同じように興味をもっている人が集まる現説、長蛇の列に並ぶのもなかなか楽しいですね。今回は朝一で行きましたので、結構スムーズでした。
ブログ楽しみに拝見させていただきます。
レポートありがとうございます
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