かぎろひNOW
悠久の奈良大和路を一歩ずつ 風景、もの、人…との出会いを楽しみながら
「鎌倉の仏像」展 6月1日まで
早めに行って、ご案内をしたかったのですが・・・トホ、ようやく行けたのは5月30日夕刻。

鎌倉時代、有名な康慶・運慶・快慶さんたち、慶派と言われる仏師がつくりあげたすばらしい仏像は、奈良でも拝観することができます。すぐに思い浮かぶのは、東大寺南大門の金剛力士立像。それから、興福寺の諸仏、特に北円堂のご本尊や、無著・世親の像は圧巻。
力強い、写実的、というような先入観をもって入館したのですが、それだけではありませんでした。
神奈川県指定文化財 水月観音菩薩遊戯坐像 [すいげつかんのんぼさつゆげざぞう]神奈川・東慶寺
↓チラシから(右)

岩の上に座って、水面に映る月を愛でている姿を表しているのだそうで。
とても美しくて艶めかしい。こんな仏様って、奈良にはいらっしゃらないような。
浄光明寺の観音菩薩さま(↓右)もきれい。お顔を少し傾げているところに生身の人間のような色香が漂います。

それから、裳裾を垂らした像も印象にのこりました(↓地蔵菩薩坐像)。

土紋装飾も珍しい~
浄智寺の韋駄天立像(↓左、チケットより)

金曜日の夕刻、人影まばらな展覧会場をめぐりながら、今の世にこのような仏像群をのこしてくれた鎌倉仏師に思いをはせました。
鎌倉時代、奈良や京都の地で活躍、新しい仏像様式をうちたてた仏師たちは、将軍から招かれるままに東国へ行って、カルチャーショックを受けたのでは!? 都の華やかさから遠く、粗野で教養もない武士・・・。
しか~し、公家中心の爛熟した文化に辟易していた(?)仏師たちにとっては、鎌倉の地は何もかも新鮮。折からの中国(宋)文化にも刺激を受けて、創作意欲が湧き出すままに渾身の力を注ぐ・・・。芸術家なればこそ、やわぁ。
勝手なもの思いにふけったのでした。
※奈良国立博物館のHPには
・・・重源は、中国・宋の仏教美術を移入することに積極的でした。このため慶派の作品にも宋の影響が認められます。しかし新たに政権を握った武家の都として重きをなした鎌倉には、蒙古軍の侵攻を逃れて日本に亡命した中国僧たちによって、より直接的に宋風文化が伝えられたため、仏教造像の場においても中国風の作品が相ついで生み出されたのです。
とあって、なるほどぉ、色濃いはずと、ナットク。
※「武家のみやこ 鎌倉の仏像 迫真とエキゾチシズム」は6月1日まで→こちら
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コメント
初対面
なむ隊長ゞ
おはようございます。
おお、1日違いでしたか。なむさんにしては、会期ぎりぎりというのも珍しいですね。
私は初対面の仏像が多く、しかも鎌倉仏ならではの特徴があってくぎ付けでした。
極楽寺の釈迦如来さんにお会いできたのも何だかうれしかった~
久しぶりに、なら仏像館も楽しみましたよ。
No title
関連の講演会もあったので、今日5月31日、行ってきました。
鎌倉市民だったので懐かしいお寺の名前があり、再会した仏像もたくさんありで、嬉しかったです。
これだけまとまって鎌倉の仏像を観ることができる機会は、なかなかないと思います。
「鎌倉の仏像」展のあとは、なら仏像館へ。
見仏三昧の至福の一日でした。
外は暑かった!
ぜひ
メグさん
こんばんは!
ずるずると日が経ち、ようやく行ってきました。
会場に入ると正面に、十二神将が躍動感豊かに並び、迫力満点。奈良博でのこんな展覧会は経験がないような。
最終日もたぶんさほど混んでないと思いますよ。
私も今回…もう明日までだし…いいか~って思っていましたが このブログ読んで行きたくなりました!! 明日
URL | メグ #- | 2014/05/31 19:31 | edit
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