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かぎろひNOW

悠久の奈良大和路を一歩ずつ  風景、もの、人…との出会いを楽しみながら

御所のぶどう 

8月26日、郷里の友人たちは高野山麓の山中を車で走り、あちこち案内してくれた。
奈良の山間でもそうだろうと思うが、高野山麓にいると、車の運転は必須。車がないと行動範囲が極端に狭くなり、買物をするにも不便なのだ。

山中を走りながら、なるほど、車がないと行けない土地やわ、とつくづく感じたことだった。
そして、こんな山間の名産や名所をよく知っていることといったら!

ワタクシはどこを走っているのかまるでわからない^^;

そんなとき、「御所のぶどう」の文字が目に飛び込んできた。

190826御所のぶどう2


おお、ここが、かつらぎ町御所(ごせ)なのか!!

以前、かれこれ10年ほど前、『かぎろひの大和路』で御所(もちろん奈良県)を取材していたとき、和歌山県の、高野山へ行く山中に「御所」という所があると聞いていたのだ。郷里の近くなのに、知らなかったので、ひどく印象に残っている。
「ごせまち講座」で聞いたのだった。2010.10の記事⇒


車の中で、ひとり、わぁ御所! と感動しまくっていると、何を言ってるのという感じで(笑)、毎年「御所のぶどう」をよく買いに来るのだという。
おいしくて、安い、と農家で直接買う魅力を語ってくれた。この日も、初めから予定に入っていたようで。


農家では、朝獲りだというぶどうを並べて、重さで販売していた。

190826ぶどう


周りはぶどう園

190826ブドウ園2


190826ブドウ園3

お土産以外にわが家の分も買って帰ったのだが、甘くてみずみずしくて、とてもおいしかった。もうちょっと買えばよかった。

和歌山県伊都郡かつらぎ町御所のぶどう園。ブドウ狩りもできるよう。⇒


↓和歌山県かつらぎ町御所の位置(赤い線内)



紀伊国一之宮丹生都比売神社の真西。
かつらぎ町の御所、気になるなあ。

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Posted on 2019/08/30 Fri. 14:58 [edit]

category: 高野山麓から

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30

ホテル日航奈良ビアガーデン2019 

8月26日は郷里の友人たちと弾丸、高野山麓ツァー。⇒
天野の里でランチやトマトをゲットした後は、「上きしや」の名物、焼餅を買ったり、食べたり。

190826上きしや


それから、ブドウ園を訪ね

190826ブドウ園


さらに、「こんにゃくの里」にも立ち寄り、わいわい。

190826こんにゃくの里

山中各地に、いろいろな名産があることに驚きつつ、この日の夕方に会うことになっている、娘の家族やあちらのご両親に、トマトやブドウのお土産があるのはタイムリーだったことよ。


ホテル日航奈良ビアガーデンの約束。6時10分前に、ホテルロビーでね。


高野山麓を車で走り回り、そろそろ引き上げようという段になって時間をみると、おっと、もう、帰宅している余裕はない。直行してもギリギリかも^^;

高野山麓の交通はのんびりなので、電車利用者にはちょっと不便なのよね。
目指すはJR奈良駅。どのルートで行けばいちばん早く着くかなあ。
朝、近鉄吉野線福神駅で車に拾ってもらったSちゃん(自宅は吉野郡下市町)に、「ごめん、吉野口までお願い」と頼み込む。福神駅から乗ると近鉄線に決まってしまうけれど、吉野口ならJRに乗れる可能性もあるからね。JRものんびりだけど、目的がJR奈良なので、もしかしたらこのほうが早い?
もう時刻を調べている余裕などない。

吉野口駅に着くと、あっ、JRの電車が停車中!
階段をとんとんと下りて、ホームへの階段を再び上がる。ラッキー! と思った瞬間、あと2段くらいでホームという時点で、電車はすーっと出て行ったのだった。えー、なんでやねん(;_;) これが3時50分。

吉野口駅、次の電車は4時14分、近鉄。JRは1時間に1本なので、あきらめ。
橿原神宮前着4:30。階段を下りて上って、京都行き急行4:40に乗車。待ち合わせまであと1時間。まあ大丈夫かなとちょっとホッ。
西大寺経由で行くと近鉄奈良駅5:24か。タクシーは最終手段。使わなくても楽勝やね。
近鉄奈良駅からでも、新大宮駅から歩いても間に合いそうやけど、何しろ、リュックが重いので、避けたい気持ち^^; 登山するためにはこんなことではアカンのやけどね。

結局、近鉄橿原線平端で乗り換えることに。平端着16:56。天理行きは3分後の発車。急いで階段を下りて上ってセーフ。16:59⇒天理17:05⇒JR天理17:15。奈良駅に着いたのは5時半。集合場所には一番のり。ちょっと早かった(笑)

それにしてもよく乗り換えたなあ。西村京太郎トラベルミステリーを思い出した(笑)

焦って、汗をかいた分、その後のビールはサイコーだった。
おつかれさまー。かんぱーい。

190826ビール


東の風景に見とれ

190826若草山

↑あっ、これまでと違うのは興福寺中金堂の鴟尾が燦然と輝いていることやね。


刻々と変化する西の空を楽しみ

190826夕日


翌日から雨続き予報だったせいもあるのか、月曜日だというのにビアガーデンは満席の盛況だった。

190826ビアガーデン


家族連れ、子どもたちもたくさんいたよ。

190826子ども


眼下に電車の動きが見えるのも魅力だよね。

190826電車


今年も、家族元気でビアガーデンに集えたことに感謝、感謝。
またね!

190826バイバイ


※ホテル日航奈良ビアガーデンは9月7日(土)まで。⇒

Posted on 2019/08/29 Thu. 11:42 [edit]

category:

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29

カフェ 客殿 

秋の気配が漂う8月26日、幼なじみ(6人)が郷里の九度山へ集合して、天野(あまの)へ。

190826九度山


5月に約束をしていたのでね⇒

フルーツラインをはしり

190826フルーツロード


県道高野口野上線をどんどん上り、トンネルを抜けると、天野の里。すでに稲穂が色づき始めていた。

190826天野

↑車の中から


白洲正子をして
「天野」の名にふさわしい天の一角に開けた広大な野原であった。…ずいぶん方々旅をしたが、こんなに閑でうっとりするような山村を私は知らない。…できることならここに隠居したい。桃源郷とは正にこういう所をいうのだろう。(『かくれ里』より)

と言わしめた天野の里は、その頃とあまり変わっていないのではないかと思わせる。
標高450m、高野山へ向かう途中に突然開けたような盆地。清らかな空気や水に育まれた作物はことのほかおいしい。「天野米」ブランドは引っ張りだこだが、他の野菜たちもしかり。
我々は、幼なじみのMちゃんの妹さんが嫁ぐ農家で、トマトをわけていただくのがひとつの目的なのだった。

190826天野の里


丹生都比売神社におまいりし

190826丹生都比売神社


神社の少し先にあるこちらでランチ。

190826客殿へ


重厚なたたずまいの古民家

190826客殿門

190826客殿入口


座敷にはすでに何組かのお客さん。我々は土間に設えられた大きなテーブルへ。

ランチは、天野米お食事セット(1500円)のみ。
天野米は3種類(塩むすび、白ご飯、卵かけご飯)からチョイス。または茶粥も。

190826ランチ

卵をわってビックリ。黄身がレモンイェロー!!
あれ、撮ったはずなのに、写真がない^^; お見せしたかった。

天野の地卵だが、独自の飼料がこういう色にさせるとのこと。
リーフレットには次のように書かれている。
契約栽培した地元の飼料米、奈良の小麦など国産原料を基本に善玉菌で発酵させた米ヌカ、新鮮な牧草を加えた独自の飼料で飼育しているので、黄身は美しいレモン色で生臭さがなく味は濃厚です。



天野の食材にこだわった、滋味豊かな味わいだった。
プラス500円でデザートや飲み物も。

190826デザート


オープンして5年とのことだが、口コミやSNSなどでじわじわ人気が広がっている感じ。
対応してくれた、とてもきれいな若い女性も感じがよかった。

190826ポスター

↑このポスターにも登場されていたよ。


そうそう、お店の名前「客殿」は、豪壮な家屋や座敷から、いかにもふさわしいと感じたのだが、なんと、苗字(姓)だとか!
表札に客殿とあったのでビックリ。

ネット検索してみると、
空き家になった実家に娘さんが戻り、カフェを始められた。家屋は宮大工だったひいおじいさんが建てたもの。築180年。そして、客殿家は代々、丹生都比売神社の神職だった、
というようなことが浮かび上がった。ワタクシ自身が取材したわけではないので、間違っていたらゴメンナサイ。

※天野和み処 cafe 客殿(きゃくでん)
和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野140
Tel 0736-26-0372

営業日: 金・土・日・月・祝(火・水・木は休み)
営業時間: 11:00~17:30(食事は14:30まで)

メニューは

190826ランチ入口

↑クリックで拡大

詳しくはHPで⇒


Posted on 2019/08/28 Wed. 07:12 [edit]

category: 高野山麓から

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28

テレマン 

バロックおじさんから、たくさんのCDプレゼントが届いた。

1908CD.jpg


あまりに多いので恐縮するのだけれど、

CDは毎度お恥ずかしながらダブってしまったものです。
背(側面)を見慣れているため、かえってジャケットの写真を
よく見ないことが多いみたいです。ワーグナー/リストに至っては
それぞれの作曲家別の棚に入っていて、戻すときになって初めて
気が付きました。けっこう前に買っていたものです。


いつも、こんな感じで、こちらが気をつかわないような連絡をくださるのだ。
これまでいただいたCDは数知れず。

今回は

テレマン・ザ・コレクション(13CD)/ ニコラウス・アーノンクール(指揮) ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス、他
スカルラッティ フルート協奏曲集、シンフォニア集(2CD)/モード・アンティコ  ラ・マニフィカ・コムニタ
チャイコフスキー 交響曲1-6、マンフレッド交響曲、管弦楽曲集(6CD)/ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ&ロンドン・フィル、ナショナル交響楽団、他
リスト ワーグナー&ウェーバー・トランスクリプション集/スティーヴン・メイヤー
ベートーベン ピアノ協奏曲1-4/ケンプ、ライトナー&ベルリン・フィル


バロックおじさんというのは、『かぎろひの大和路』の旧刊当初からの読者(東京在住)。かれこれ35年くらいのおつきあいだから、読者というよりも、もう旧友の範疇。長らくお会いしていないのだけれど、親近感はそのまま続行している。

クラシックから歌謡曲まで、あらゆる音楽に精通されていて、ワタクシの師のような存在。
バロックおじさんという名前は、ずいぶん前に奈良で一緒に飲んだとき、そんな話になったのがきっかけ、だったか。
ワタクシが若い頃バロック音楽に夢中になっていた時期があったという話をしたせいだと思う。


そうそう、20代前半、まだ奈良へ来る前のこと。なぜか、妙に気が合った友人の妹さんと一緒によく聴きにでかけたのだった。
特にテレマンはよく聴いたなあ。

あの頃、ワタクシは特にヴィオラ、彼女はチェロが好きだった。

1908絵

↑絵が上手だったH子のこんな作品が、その頃のアルバムに貼られて残っていた^^;


最近、つい昔のことを思い出してしまうのは、トシをとったせいやね(笑)

話がどんどんそれて思い出びたり。

あ、バロックおじさんの贈り物の中にはこんなCDも。見逃したものばかりで、持つべきものは友達やなあとしみじみしたのだった。

1908CD2.jpg

今日はちょっと秋の気配を感じる日曜日。
ひさしぶりにゆっくり音楽漬け。

バロックおじさん、ありがとうございました。

Posted on 2019/08/25 Sun. 13:34 [edit]

category: こんな品

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25

きつね丼 

きつね丼って、食べます?

実はワタクシ、30数年ほど前に奈良へ来て初めてその存在を知った次第^^;
そんなもんも知らんのかーと、ちょっと呆れられて、こっちもビックリ。食べたこともないし、食堂のメニューなどでもそんな丼名を見たことがない! と思う。

近鉄奈良駅近くで勤務していた頃に、そんな出来事があり、たしかその日のランチがきつね丼デビューだった。
おいしいー。なんでこんなものを今まで知らなかったんやろと、これまでの人生ちょっと損をしたような気分に。
しかもいちばん安いメニュー(笑)。250円だったかなあ。

数年前にお店をたたまれてしまったのが残念だが、東向北町にあった「たかぎ」さん。
出雲そばのお店だが、丼やオムライスもおいしかったのだ。

たかぎさんのきつね丼は(他店では食べたことはないが)生っぽい玉ねぎと、刻んだ油揚げとのなじみ加減が絶妙。

きつね丼は強烈な印象とともに、好物になったけれど、そんなにしばしば食するわけではない。

材料は油揚げと玉ねぎ、青ねぎ、シンプルなだけにお出汁のうまさも必須。
卵でとじるのもあるようだが、ワタクシは卵不要派。

普段は忘れているのに、おいしい油揚げが手に入ると、むしょうに「きつね丼」が食べたくなる。
この日は、「きたまち豆腐」さんの油揚げで

190619きつね丼


料理人は、30数年前に「きつね丼も知らんのかー」と馬鹿にした人である(笑)



Posted on 2019/08/23 Fri. 14:39 [edit]

category: 日記

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23

いのりの世界のどうぶつえん 

奈良国立博物館で特別陳列「報徳寺の仏像」、わくわくびじゅつギャラリー「いのりの世界のどうぶつえん」が開催中です。9月8日まで。

1か月ほど前、足を運んだら休館日で⇒、その後はなかなか機会がつくれなかったのですが、やっと8月21日に行くことができました。

「報徳寺の仏像」がメインで、どうぶつえんのほうはちょこっとかなあと勝手に想像していたのですが、失礼しました。企画内容、わかりやすい解説、ほんわかキャラクターまで動員しての、あの手この手の工夫、これでもかの試みに拍手喝采です。

大人も大いに楽しませていただきました。

190821キャラクター2


190821キャラクター

それぞれのキャラが可愛らしくて、展示品についてのひと言に、思わずふき出したりにやっとしたり。

会場もいつもの奈良博の雰囲気とは違い、家族連れ、子どもたち、そして外国の人も多いのが印象的でした。
こんな楽しい雰囲気の奈良博って初めてかも。子どもたちはきっと仏像や美術や歴史に興味をもつきっかけになることでしょう。

なっちゃんを連れて行って博物館デビューさせたいと思ったことでした。

詳しくは奈良国立博物館のHPで。⇒

会期中、奈良国立博物館と平城宮跡資料館を結ぶ無料シャトルバスが運行されているのも、気が利いていますね。⇒
なむさいじょうさんが乗られました⇒




Posted on 2019/08/22 Thu. 12:38 [edit]

category: 奈良国立博物館

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22

完全版『若き日と文学と』と『星の王子さま』 

辻邦生没後20年ということで刊行が続いていることは以前書いた。⇒


うれしいけれど、亡くなった人が新たに書くことはないので、まあそう急いではいない。重複して持っているものもあるし、書棚のスペースが限界ということも大きい。


そんなとき、辻邦生つながりのYさんからメッセージが届いた。

1908メッセンジャー


丁寧にも目次の写真まで添付されていた。見ると、どうやら、以前の倍以上のページがあるもよう。
早速ゲット!

1908若き日と文学と2冊

↑右は昭和49年(1974)初版のもの。ワタクシが持っているのは昭和53年発行4版を重ねている。

今回の完全版は「ぼくたちを作ってきたもの」が加えられていて、ちょうど2倍のページ数だ。

ねっ、こうして比べてみても歴然でしょ。

1908厚さ


追加の目次だけ紹介。

Ⅱ ぼくたちを作ってきたもの
トーマス・マンについての対話
長編小説の主題と技法
『星の王子さま』とぼくたち
ぼくたちの原風景
文学が誘う欧州旅行

このうち、「トーマス・マンについての対話」と「長編小説の主題と技法」は、『灰色の石に座りて』に収録。

1908灰色の石に坐りて


「『星の王子さま』とぼくたち」「ぼくたちの原風景」「文学が誘う欧州旅行」は持っていないので、ほんとうにこれは買いだった。
これまで、辻さんが『星の王子さま』について書かれているのを読んだことがないと思うので、どちらかというと北杜夫さんのテリトリーかな。

ン十年前、社会人になった年に出会った女性と少し親しくなったとき、自己紹介のようにプレゼントされたのが『星の王子さま』だった。本の扉に、いただいた年月日とFN嬢から、と記されてある。年月が経つとこんなメモもうれしいね(彼女とは長らく会ってないけれど年賀状のやりとりがあるので近況はわかる)。

1908星の王子さま

↑中央がン十年前にいただいたもの。右は、かじったフランス語で読んでみようかと思ったがそのままになった原書^^;


「『星の王子さま』とぼくたち」から抜粋

辻 …また逆に人間は虚無とか非合理とか恐怖とかそういうものを克服して、現代の文明空間をつくり上げてきたわけだ。ところがその結果、文明社会の中で人間はーあるいは『星の王子さま』に結びつけていえばおとなはといってもいいけれどー自分の幸福を完全に見失っている。
たとえば『星の王子さま』に出てくる実業屋のように、五億の星を一生懸命数えて、忙しい忙しいと言っている人や、スイッチ・マンのエピソードに出てくる急いでどこかにゆき、ある一つの場所にいることが好きじゃない人間とか、そういう状態に陥っている現代人にとって、黙々と歩いていく人たち、ほんとうに人間が本源的に必要な、たとえば泉の水とか、暑い日の木かげとか、そういうものを求めて歩いていく人たちの動き方、そういう人たちの持っている生活空間の重さとかは、もはや理解できないものになっているような感じがする。この作品の中ではそんなに生々しく語られていないだけに、非常に胸に迫るようなある強さを持って……。

北 いちばんいい例だが、のどが渇かない丸薬を売っている商人で、一週間に五十三分得になるんだというと、五十三分あったら、ぼくはゆっくり泉の方に歩いていくんだけどなあ、と。



『星の王子さま』からも抜粋

…新しくできた友達の話をするとき、おとなの人は、かんじんかなめなことをききません。〈どんな声の人?〉とか、〈どんな遊びがすき?〉とか、〈チョウの採集をする人?〉とかいうようなことは、てんできかずに、〈その人、いくつ?〉とか、〈きょうだいはなん人いますか〉とか、〈目方はどのくらい?〉とか、〈おとうさんは、どのくらいお金をとっていますか〉というようなことを、きくのです。そして、やっと、どんな人か、わかったつもりになるのです。

この頃の岩波少年文庫はB6版で薄いし軽い。机から離れて寝転がって、久しぶりに読み直していたら

…ぼくは、この本を、寝そべったりなんかして、読んでもらいたくないからです。

という箇所に出合って、思わず起き上がり、ご、ごめんなさい。


涙の国って、ほんとにふしぎなところですね。


「…心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」


『星の王子さま』を読み返したのはほんとうにン十年ぶりなのだけれど、実は忘れたことがない。
というのも、最初のページに出てくるこれ。

1908星の王子さま絵

象をこなしているウワバミの絵。おとなは〈ぼうし〉だろって言うあれ。


ワタクシはこの山を見るたびに思い浮かべてしまうのだ。

1908畝傍山


↑甘樫丘から見る畝傍山

Posted on 2019/08/20 Tue. 10:25 [edit]

category: 辻邦生

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20

立山へ⑤ 山の魅力 

立山へ行った日からあっという間に1週間が経過。
10日の夜中に発って翌日の夕方に帰ってきたときは、ずいぶん長い間、留守にしていたような気がしたのに。
うーむ。時間はたぶん平等には流れていない、ナ。

帰ってからは毎日のようにブログを更新するのも楽しかった。
夫に立山のことばかりしゃべっていたような気もする^^; 写真見て見て、というのに、あまり興味がなさそうなのだ。ふん。
ま、そんなものか。
それでもめげずに、デジタルフォトフレームを持ちだしてスライドショーにして強引に見せたり(笑)

190817フォトフレーム


立山は富士山の次に人気の山なのだという。
たしかに、人が多かった。

190810登山者


190810登山者2


キャンプ場もいっぱい。

190810キャンプ場2


最初は、混みあうのはちょっと嫌かなあと思っていたところもある。キャンプ場のお手洗いとかも気になって。
けれども、雄大な山々が人間を包み込むのだろう、混雑感は全くない。自然のスケールが大きすぎて、人間が小さく見える。

ここまで来ると、神の領域に踏み入っていることを感じないではいられない。
山びとたちは皆、謙虚で、静かに見える。やさしい。暗黙のルールを守る。ごみ一つ残さずに立ち去る。さわやかな挨拶を交わす。

水場もとてもきれいだった。

190810キャンプ場
↑向かって左の建物が管理棟と水場

冷たい水が豊富で、トイレも一応、水洗。
男性トイレのほうにずらっと並んでいるのを初めて見た(笑)。女子はすいすい。
たぶん、男性と女性比は8:2ぐらい?
やはり若い人が多くて、小さな子どもさんのいる家族連れも見かけた。もしかしたら、ワタクシが最年長? って思ったりしたことよ(笑)

雷鳥沢キャンプ場⇒


こんな高い所まで来たのは初めて。
あっ、6年前に木曽駒ケ岳の千畳敷カールへ行ったことがある。
その頃は山友もいなかったので、1人でバスツァーに参加したのだった。⇒


漠然と願っていることが、何年も経って気がつくと実現している経験は少なからずあると思えるが、「山」もそのひとつ。
奈良の山も、おかげさまでずいぶん登ることができた。そんな山歩きの一歩が今回のような高い山へ続いているような気がする。
よろしければ、カテゴリー「山」⇒

皆様、ほんとうにありがとうございます。
また、よろしくお願いします。


重いリュックをかついで、黙々と山へ向かう姿を見ると何だか胸に迫るものがある。

190810雄山への道


♪僕らは別々の山を それぞれの高さめざして
息もつがずに登っていく山びとたちのようだね

(さだまさし「道化師のソネット」より)


190810雄山で休憩

シリーズ「立山へ」はこれで終わります。
おつき合いありがとうございました。

Posted on 2019/08/17 Sat. 22:49 [edit]

category:

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17

立山へ④ 高山植物 

立山へ①⇒
立山へ②⇒
立山へ③⇒

つづき

雄山に登りながら、雷鳥沢へ下りながら出合ったお花たち。
一瞬のシャッターなのであまりうまく撮れていないけど、記録しておこうっと。
間違えていたら、教えてくださーい。


雄山で。
イワギキヨウ? まさに岩の隅で開花。チシマギキョウ?
(※8月17日追記 チシマギキョウだそうです。PANDORAさん、ありがとうございます。)

190810チシマギキョウ2

190810チシマギキョウ


イワツメグサ

190810イワツメグサ2


タカネスイバ? 雄山の山頂近くで。

190810タカネスイバ?



雄山を下りて、雷鳥沢へ向かう途中で。

チングルマの群生

190810チングルマ

190810チングルマ2


花と名前に違和感があったのだけれど、これでナットク。

190810チングルマ果実

↑チングルマの花が散った後の姿、果実なんだとか! 

可憐な白い花びらが散ると、花柱が伸びて放射状に広がる。この綿毛が子供の持つおもちゃに似ているというので「稚児車」。チゴグルマ⇒チングルマ、名前はここからきていたのね。

しかも、この植物は草花じゃなくて樹木の仲間! 細い茎の断面には年輪があるというから驚くばかり。

秋には葉っぱが真っ赤になって草原を染め上げるとか。



クルマユリ

190810クルマユリ


ヨツバシオガマとウサギギク


190810ヨツバシオガマとウサギギク


もっとちゃんと写真撮りたいよね、とアップしながらつくづく。
花を撮りながら歩くのもいいなあ。でもそうなると、カメラがかさばるから難しいか…

つづく

Posted on 2019/08/16 Fri. 13:56 [edit]

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16

立山へ③ 雷鳥沢から室堂 

立山へ①⇒
立山へ②⇒

つづき

雷鳥沢キャンプ場の朝、陽光はまず浄土山を照らした。

190811朝日


朝食をとり

190811朝食


さあ、室堂ターミナルをめざして出発。
今日も晴天だ。

190811晴天


↓周辺地図。クリックで拡大

190811室堂平周辺地図


雷鳥沢キャンプ場から室堂までは、急な階段続き。ほぼ登り。

190811雷鳥沢から室堂


190811雷鳥沢から室堂2


190811雷鳥沢から室堂3


190811雷鳥沢から室堂5


190811雷鳥沢から室堂6


階段は苦手なんだけれど、雄大な風景を見ながらだと平気(笑)。
キャンプ場を振り返る。

190811キャンプ場を見下ろす


変化に富んだコースだった。立山連峰とは違う一面を見た感じ。
西側は活火山なのだ。

今もガスが吹き、計測ポイントも何か所かあった。

190811ガス

190811ガス計測ポイント


火山活動が活発になっているため、数年前から地獄谷遊歩道へは立入禁止。過去には事故もあったようだ。

190811地獄谷


火山性ガスの影響で植物が枯れている所は痛々しい風景だが

190811硫化水素の影響


観光ポイントになっている、りんどう池、血の池、みくりが池なども、立山火山の爆裂によってできた火口に水が溜まったものだというから、いやはや複雑。

特に、立山連峰を映す、みくりが池は圧巻だ。

190811みくりが池


どう撮っても絵になる。

190811みくりが池2


地獄谷の源泉を利用した温泉

190811みくりが池温泉
↑日帰り入浴OK。アイスクリームがおいしかった。

190811アイスクリーム


そうそう、海も見えたのよ。

190811海2


室堂ターミナルに戻り解散。
関東組と関西組はあっさり別れ、それぞれ帰途に。
バスの中から雲海がー。

190811雲海


つづく

Posted on 2019/08/15 Thu. 15:50 [edit]

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