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かぎろひNOW

悠久の奈良大和路を一歩ずつ  風景、もの、人…との出会いを楽しみながら

県外のお酒 

昨日(30日)は月1回の分別ごみの日だった。
空き缶、ペットボトル、ガラス瓶(茶、透明、その他)、牛乳パックなどを収集してくれる。

なぜか、今月は空き瓶多いぞ~。ほとんど酒瓶やん^^; お正月があったからね、そらそうや(笑)

出す段になって、あっ! 撮っとかないと!

大急ぎで、県外のお酒バージョンで撮影大会。

180130県外のお酒

はい、すべていただきもの。贈り主の思い入れのあるお酒ばかり。

左は、「菊姫 山廃仕込み生原酒 純米」(石川県白山市)
白山市出身のKさんが、郷里へ帰られたときに贈ってくれたもの。
Kさん
三が日あけて比咩神社へ初詣に行ったので、帰りがけに菊姫が開いていて幸いだったんですけど
吹雪で手がかじかんでしまい、送り状が、とんでもない文字になってしまいました(^^;)


右はしの「龍力 特別純米」(姫路市)「福寿 純米吟醸」(神戸市) は、神戸のFさんから。
お礼という程のものではないのですが、豚まんにしようか?シトーレンにしようか?迷ったんですが、やはりご夫妻に一番喜んで頂けるのは酒かと。福寿は今やノーベル賞の酒として有名になりすぎたきらいがありますが、まあ悪くないと思いますので話の種にと。龍力はいい酒で昔から好きでした。お二人で仲良く呑んで下さい。また今度一緒に奈良酒誘って下さい。


「十八盛 純米大吟醸」(岡山県倉敷市)はYさんから。
値段としてはそんなでもないので、お気遣いなくなく。ただし、マイフェイヴァリットな逸品ではありますね。
先日、この生酒を買いましたが、味が丸くて、すっとした感じかなく、旨味はあるけどすっきり感に乏しかったですね。
この火入れした方は、香りが立って口中の含み香もいいですよ。
大阪でこれを売ってる酒屋をやっと見つけました。


などなど、皆さん一家言あるのも楽しくて。

あっ、そうそうこれはWさんから。
「山川流」(愛媛県四国中央市)

180130お酒3

奈良で楽しくお酒をご一緒させて頂いてますが一向に詳しくならず、酒屋のお兄さんに相談しましたら勧めてくれました。
白鶴錦ってあの白鶴?珍しくもなんともないじゃんって思いましたが、山田錦をもう一度作り直しただなんだとかいう酒米の白鶴錦がセールスポイントみたいです(笑)。お口に合うかわかりませんが話のタネに!あっ、今日の日経新聞に正暦寺の菩提酛のことを八木酒造の方が書かれている記事が載っていました。



ワタクシが県外の酒好きさんに贈る場合は必ず奈良酒。
これまではワタクシ自身も奈良のお酒を飲むことが多かったのだけれど、最近、県外に飲み友が増えたせいか、うーん、おいしいやん、ちょっと外にも目を向けなくちゃなと思い始めている次第。

きっかけは、このお酒↓だったかも。

1710旦

昨年、お酒の会に参加したとき、7種? ほどをまずはブラインドで試飲。強烈に印象に残ったのが、この「旦(だん)」というお酒だった。濃潤でうまみがつまっている感じ、と言ったらいいだろうか。
山梨県の笹一酒造という名前もその時知ったのだった⇒

県外のお酒を知ってから、奈良のお酒うまいで、というほうが説得力あるものね。
精進しよう(笑)
酒蔵の場所を確認していると、旅心もそそられて。
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Posted on 2018/01/31 Wed. 20:31 [edit]

category:

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31

この鳥は? 

三柱神社の宮座講は、その③宵宮祭、その④宮送りと続ける予定ですが、ちょっとひと休み。

というのも、今日は佐保川であまり目にしない鳥を見かけまして。
名前をご存じの方は教えてくださいね。

佐保川でカワセミくんと仲良しになったのは今頃だったかなあと思いながら歩いていて。
今、ブログを確認したらほんとうにちょうど1年前の1日違い⇒


と、桜の枝から枝へ、色鮮やかな鳥が!
一瞬、カワセミくん? と思ったのですが、違いました~

180128キセキレイ


黄色いおなかが目立ちます!

あっ、キセキレイ? 

いや、ジョウビタキ?

ちょっとうれしい出会いでした。


ちゃんとおぼえてね~

180128キセキレイ2

おしえて~

※1月30日追記
モズの♂だそうです。鳥博士の西井さんに教えていただきました。
ありがとうございます。

カチャーチャン。さん、PANDORAさんからも、同様のコメントを頂戴しました。
ありがとうございました。

それにしても、モズという名前はよく聞くのに、実際の姿を知らなかったとは^^;
こんなにキレイな鳥だったんですね。
茶色っぽい目立たない鳥だと勝手にイメージしていました。ごめんなさい。


Posted on 2018/01/29 Mon. 19:46 [edit]

category: 佐保川

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29

三柱神社の宮座講神事② 

三柱(みはしら)神社の位置




三柱神社を氏神様とする橿原市膳夫町(かしわてちょう)は香具山の北麓に重厚な民家を連ねる集落。

1710膳夫町

宮座講は、集落の真ん中を南北に貫く道↑を境にして、右座(東)と左座(西)に分けられています。
それぞれに頭屋が1軒ずつ(1年交代)。お祭りの中心的役割を担います。

秋、神様は頭屋宅に設けられた仮宮に遷られます。10月1日の「宮迎え」から、10月28日「宮送り」まで約1か月間。

「宮迎え」の前日(9月30日)、頭屋は神様をお迎えする準備に大わらわ。
吉野川で身を清め、小石を数個持ち帰ります。祭壇を作り、そして夜11時半までに神社に集合。

午前0時を迎えるや、新しい七五三縄(しめなわ)を五本綯います。
神事の後、神様はいよいよ頭屋宅へ。仮宮にはお米、酒、魚のほか、綯ったばかりの七五三縄、吉野川の小石なども御供え。

1人の宮司さんが2軒の頭屋を順番に訪ねるので、最後の神事が終わるのは夜も白み始めた頃になるとか。
頭屋は身近に神様を祀り、日々祈りを捧げながら1か月を過ごすのですが、その結果、神様の力は大きく強くなるのだそうです。


そうして、神様を神社へお戻しする「神送り」の日を迎えます。
前日の宵宮祭、左座の頭屋、Nさん宅の玄関口で。

171027小石

↑小石は、吉野川から持ってきたもの。この水で身を清めて家に入ります。

続く

三柱神社の宮座講①⇒

Posted on 2018/01/27 Sat. 21:12 [edit]

category: 大和の寺社

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27

三柱神社の宮座講神事① 

『かぎろひの大和路』復刊34号の終盤戦。
「生活と風習と」では、三柱(みはしら)神社(橿原市膳夫町)の宮座講によるお祭りについて取り上げました。
昨年10月27日、28日の2日にわたって取材させていただいたのですが、紙面では(なんとか2ページゲットしたものの)字数はしれているんですよね。載せられる写真も少ないし、そのうえモノクロ^^;

撮ってきた写真を見るにつけて、ブログで思う存分、紹介してみたい気持ちがわき起こりまして(笑)
長くなりそうですが、よろしければおつき合いくださいませ~。

三柱神社の宮座講の存在を知ったのは、10月14日のこと。近くに別件取材があり、朝一番で出かけたのでした。
取材が終わってウロウロ、三柱神社へ立ち寄って、境内にこんな説明板を見つけました。いやぁ、何度もお参りしているので、前から見ていたんですけどね、この日は「生活と風習と」のネタを探していたせいもあり、初めて気になりました。

↓クリックで拡大します。

171024三柱神社説明

↑このなかの、宮迎え10月1日、宮送り10月28日。

わぁ、気になるわ~。宮迎えは終わっているけど、宮送りは間に合う!

と思うと、鳥居すら気になり始めて。

171014鳥居2

↑鳥居の足元に注目!

171014鳥居

これまでの経験から、こういうものって、年に一度のお祭りの日に新しくされることが多いんですよね。


誰かに聞いてみようと思い、集落の中を歩いてみるのですが、シーン。朝7時台でしたかね、誰もいないかのような静けさ。
と、あるお宅の庭に動きが! 「すみませーん」

応じてくださった男性に、宮送りのことについてお聞きしてみると、うんうんうなづきながら
「私が説明するのもなんなんで、香久山地区の自治委員会の会長さんがこのすぐ先に住んでいらっしゃるから、その方にお聞きすれば、なんでも知ってはるわ」

教えていただいたTさんのお家はすぐに見つかったのですが、なにしろ、朝の8時前。チャイムを押して話を聞くには非常識な時間よね。いきなりだし。

表札にあった住所とお名前を書き留めるだけにして、この日は、別の取材を2件。

西から見る畝傍山

171014畝傍山

帰宅してから、Tさんの電話番号を探して、連絡してみたところ、
「18日に役員会議があるから、神社へおいで」

当日、Tさんと神社総代のKさんから、宮座講、神迎え、宵宮祭、神送りについての全般的なお話を聞くことができたのでした。

その足で、頭屋さんのお宅を訪ね、宵宮祭と神送りの日に取材させてほしいという約束をとりつけることに成功~♪


※これから出かけなければなりませんので、続きは次回にさせてくださーい。

Posted on 2018/01/26 Fri. 13:50 [edit]

category: 大和の寺社

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26

広辞苑 

先ごろ、『広辞苑』第七版が出ましたね。

インターネットの普及で辞書をひく機会は減ったし、広辞苑って一家に一冊あったらええのとちがうん? 売れるんやろか?

ご心配は無用ですぞ。

身近な人間を見て、そう思う次第でアリマス。

わが家には、というよりも、夫が「広辞苑」を第一版~五版まで持っているのです。

180123広辞苑


一年前に書いた、夫の文章からちょっと抜粋してみますと…

広辞苑

我が家には、広辞苑の第一版から五版までが揃っている。

 私は学生時代、読物がわりに一版を枕辺に置き、寝付けない夜はとりとめもなくページを繰っていた。と、城郭の[多門]という見出しがねむた目にとまった。解説に「松永久秀が近江佐和山に築いた多門山城にならった一種の築城法」とある。おやっと思った。佐和山城は石田三成じゃなかった? 
 調べてみると、佐和山城は戦国時代からあった城を石田三成が本格的な城郭建築に仕立てたとある。また、〃石田三成に過ぎたるものは、佐和山城と島左近〃とも言われるのも知っている。いずれにも松永久秀の姿は見えない。この辞典一冊だけでは、ちょっと恐いところがあるぞと思った。

 『二版』を開くと、[多門]は「城の石垣上の長屋。城壁を兼ね、兵器庫などに用いる。松永久秀が大和多門城で始めたからいう」と書き替えている。一版から二版までは十四年の歳月が経っていた。『三版』以後は二版を踏襲している。

 その後、暇な時に一から五版までを並べ読みして楽しんでいる。
 例えば[おてんば]。『一版』では「オランダ語からの外来語とする説もあるが、〃お〃を伴わぬ用例多く、信じ難い。臆面もなくはしゃぎ回る女。出過ぎた女」と、「はしゃぎ回る」とか、「出過ぎた」や「女」という言葉遣いにどこかトゲを感じさせる説明がつく。

『二版』では「オランダ語の、手に負えない意からの外来語とする説もあるが、〃てんば〃だけでも用いる」と、やや丁寧な説明となっている。しかも、一版の「はしゃぎ回る女。出過ぎた女」が姿を隠している。〃オイ、出過ぎた女とするのは、言い過ぎでないかい、活発に行動する、ぐらいでどうだろう〃という編集者の声が聞こえてきそうだ。で、説明が[女が、つつしみなく活発に行動すること。また、その女]と、なんとなく言葉のカドが削られてはいる。しかし、「女」「女」と、うるさく重出する言葉に、〃女に恨みでもあるのか〃という文句がでそうだ。三版は、二版を踏襲するが、語源説明の箇所が省かれている。

 ただ、一、二、三版の説明では、〃女はつつしみ深く、あまり活発でないもの〃とする、女性が眉を顰めかねない底意ありと、見られかねないとでも思ったか、『四版』では[女]という言葉から一歩ひいた[少女や若い娘が]に替え、「つつしみなく活発に行動すること。また、そういう女」と訂正している。使用文字数を少なくするためか、最後はまだ「女」を使っている。尻尾はとれたが、尾底骨が残っているようにも思えるが、とまれ、その後の五、六版は四版を踏襲。どうやら、一件落着というところだ。

 もう一例、奈良時代、称徳女帝の寵愛を受けて、とかくの噂をもつ弓削道鏡。
 [道鏡]『一版』では、「奈良時代の僧。河内の人。弓削氏。称徳天皇の殊寵を得て、太政大臣禅師となり、遂に法王の位を授けられて専横を極め、後、宇佐八幡の神託と称して皇位をうかがったが、和気清麻呂によって阻まれ、光仁天皇即位により、下野国薬師寺の別当に貶され、宝亀三年(七七二)配所に没」と説明。『二版』は「殊寵」の「殊」が消え、「貶され」が「左遷」と言葉ひとつ分、客観的表現になっているものの、他は『一版』を踏襲している。

 ところが『三版』になると、説明に変化が見られる。一、二版とは最初の「河内の人、…弓削氏」までは同じだが、称徳天皇との間柄について、「宮中に入り看病に功があったとして称徳天皇に信頼され、太政大臣禅師、ついで法王…」と書く。
 一、二版の「殊寵」、「寵」という、言葉が「信頼」と粘性を離れた表現になり、「皇位をうかがう」も「皇位の継承を企てた」と書き換えられている。

 今少し補足すると、道鏡は宮中の内道場の禅師となり、天平宝字六年(七六二)、近江国石山に造営された保良宮に滞在中の孝謙太上天皇(重祚して称徳女帝)が病気。これを治療平愈させ、信頼を得ている。
 これとは別にこの『三版』で大きく変わったのは、道鏡は「宇佐八幡の神託と称して皇位の継承を企てたが、藤原一族の意をうけた和気清麻呂に阻止され…」と、道鏡の野望を食い止めたのは和気清麻呂の尽忠報国の思想による行為だけではなく、藤原一族の、政敵道鏡を排除する策謀が後に控えていたことを書き加えていることだ。

 『三版』が発行されたのは昭和五十八年(一九八三)。時代を担う四十歳前後の人達は戦前戦中の歴史教育を離れた戦後生まれ。そこでは、忠臣のお手本とされてきた和気清麻呂も奈良時代末から平安時代初期に活躍した一政治家として客観視され、和気清麻呂の存在が遠のく、と同時に〃藤原氏の策謀あり〃する歴史的な認識が初めて顔をだしているのも見逃せない。『四版』以降は、この三版の説明を踏襲している。

 上の二つの例はいずれも『三、四版』で、一応の形を整えたと言えそうだ。しかし、広辞苑は文字通り、広く言葉を集めそれに説明を加えるという作業は止まるところがないらしく、『六版』になって初めて登場した見出し語も目につく。
 本棚の一隅を占めて、背文字の四角い顔に冷めたい表情を見せる「広辞苑」ではあるが、それなりに時代を映す変化と増殖がある。お前は生き物なんだなあと思わず口に出ていた。



夫は一方的に書いたので、『広辞苑』編集部に一応おことわりしておかなきゃな、という気持ちで、岩波書店へ文章を送ったのだそうな。

すると、思いがけず、辞典編集部のHさんから丁寧なお返事がきて、ビックリするやら親近感をもつやら。

平素より『広辞苑』をご愛用くださり、誠にありがたく存じます。

『広辞苑』を取りあげてくださった随筆を拝読いたしました。
「おてんば」「道鏡」などの項目について各版の記述を比較検討された結果、およその記述の定型が第三版で定まったとのことは、私自身も調べたり考えたりしたことがありませんでした。お教えくださり、どうもありがとうございます。
目下、第七版に向けた編集作業を進めております。よりよい内容の辞典となりますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
                                              2017年2月6日



ワタクシは『広辞苑』の各版を比較するようなそんな趣味はありませんが、ちょっとおもしろかったので、ブログネタにしようと思いついて(笑)、夫の留守に、広辞苑を撮影することに。

で、気づいたこと。

一版・二版と、三版からは大きさが微妙に違っている! ねっ↓

180123広辞苑2


それと、五版から? 、アルファベット略語も付いているのね。ワタクシが愛用していたものには無かったので。

180123アルファベット


辞書編集に携わる人のことを考えていると、『舟を編む』(三浦しをん著)が思い出されて仕方がないので、ちょっと調べてみたら、小説を書くにあたって、岩波書店と小学館を取材したんですって。やっぱり、ね。


どうやら、夫は、六版も七版もいずれ入手したいと考えていそうなのですが、うーん、まあちょっとオモシロク読ませてはいただきましたが、狭い家に住んでいる身としては複雑でありますな(笑)

広辞苑 第七版⇒


Posted on 2018/01/23 Tue. 22:38 [edit]

category: 読書

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23

児のそら寝 

関わっている会の総会&懇親会の締切が1月20日だった。
事務局を担当しているので、案内を送り、出欠を確認する役割も。
しかーし、締切日を過ぎても音沙汰のない数人が。
返信のなかった人は欠席だろうとは思うのだけれど、その中で、いつもきっちりされている方から何の連絡もないとちょっと心配になるのだ。高齢者の1人暮らしとなれば、なおさら。

今回はUさんが気になった。90歳近い年齢でお1人暮らし。とはいえ、とてもそんなお歳には見えないくらい若々しくて、上品で、知的な方。いつもならきっちり返信してくれるのに、連絡がないのが気がかり。

電話をしてみた。
「あらっ、昨年暮れ、FAXをいただいてすぐに返信したわよ。……
あっ、もううれしくて、うれしくて、すぐに返信しようと思ったんだけど、はしゃぎすぎた子どもみたいで恥ずかしいでしょう。でね、あなたに一筆も書いて、しばらくしてから送ろうと思っていたの。でも、そのまま忘れてしまったみたい。ごめんなさーい。」

90歳にして! 子供のような、いきいきと動く心が感じられて、こちらも楽しくなったのだった。

ふと、よく似た話をどこかで知っているような気がするんだけど…、なんだったっけ。思わず笑みがこぼれるような、楽しい気持にさせられたんだけどなぁ。

と考えていて、思い出した。

高校の頃、初めて読んだ『宇治拾遺物語』の「児(ちご)のそら寝」や!

宇治拾遺


比叡山の稚児の話。
お寺の僧たちが夜になってぼた餅を作ろうということに。

子どもはそれを聞いて、わーい、うれしいな、と思ったのだけれど、いつもなら寝ている時間なのに、待っているのがわかるってのもアカンかなあと、狸寝入りを決めこんだ。
どうやら、できあがったような感じ。きっと起こしてくれるよね、と期待して寝たふりをしていると
「ぼた餅できたよー、目をさませー」 という声が。

やったー、と喜びながらも、すぐに返事をしたら、待っていたのがばれるやん。
ちょっとバツが悪いから、もう一回呼ばれてから返事をしようっと。と我慢しながら寝ていた。

が、「起こすのかわいそうやで。幼い子はもう寝入っているみたいや」という声が。

子ども「ひやぁ、なんてこった。もう一回、起こしてよ」と思いながら寝ていると、僧たちがお餅をバクパクむしゃむしゃ食べる音が聞こえてきて、悲しくなるばかり。
しばらく経って、子どもはもう我慢の限界! 呼ばれてからだいぶ時間が経っているのに「はい!」

僧たちが笑うことといったら。


こんな話でしたかね。
だいぶ意訳していると思うので、原文をひいておきますね。

今は昔、比叡の山に児ありけり。
僧たち、宵のつれづれに、
「いざ、かいもちひせむ」と言ひけるを、この児、心よせに聞きけり。

さりとて、し出ださむを待ちて、寝ざらむも、わろかりなむと思ひて、片方に寄りて、寝たるよしにて、出で来るを待ちけるに、すでに、し出だしたるさまにて、ひしめき合ひたり。 
この児、さだめておどろかさむずらむと待ちゐたるに、僧の、「もの申しさぶらはむ。おどろかせたまへ」
と言ふを、うれしとは思へども、ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふとて、いま一声呼ばれていらへむと、念じて寝たるほどに、
「や、な起こしたてまつりそ。幼き人は寝入りたまひにけり」
と言ふ声のしければ、あなわびしと思ひて、いま一度、起こせかしと思ひ寝に聞けば、ひしひしとただ食ひに食ふ音のしければ、すべなくて、無期の後に、
「えい」
といらへたりければ、僧たち、笑ふこと、限りなし。


Posted on 2018/01/21 Sun. 19:11 [edit]

category: 読書

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お水取り展鑑賞とお松明 2018 

奈良国立博物館特別支援会員「結の会」が主催する恒例の「お水取り展鑑賞とお松明」の概要が整いましたので、ご案内します。
博物館のHPにも近々アップされ、申込窓口も設けられますが、ひと足お先に。

●とき:
 平成30年3月6日(火)午後2時開会(受付は午後1時15分から)
 *奈良国立博物館新館正面入口前にご集合ください。
 *午後7時30分に現地解散となります。

●ところ:
 1.奈良国立博物館
 2.東大寺本坊大広間
 3.東大寺二月堂
 

●内容:
 1.映像作家=保山耕一氏の講演と作品上映「映像詩・東大寺」
「テレビカメラマンから見たお水取り」(奈良国立博物館講堂)
 2.特別陳列「お水取り」(奈良国立博物館新館)及び「なら仏像館」鑑賞
 3.上野道善東大寺長老の講話(東大寺本坊大広間)
 4.お食事(東大寺本坊大広間)
 5.お松明観賞(東大寺二月堂)

●会費:6,000円(食事、松明箸、御香水、入場料等の費用)
*前年のお松明に使用した竹で作った箸、御香水をお持ち帰りください。お楽しみ抽選会も予定。
*会費は当日頂戴いたします。
 
●定員:100人(先着)
●主催:奈良国立博物館特別支援会員「結の会」
●後援:奈良国立博物館

 キャンセルされる場合は、3月2日までにご連絡ください。
 それ以降のキャンセルは3,000円を申し受けます。

↓昨年の様子

170303お水取りイベント





「お水取り展鑑賞とお松明」イベントは今年12回目になります。
博物館⇒東大寺本坊⇒二月堂、という流れは同じですが、今年大きく変わった内容が!

映像作家の保山耕一さんをお迎えしての、お話と作品上映。

You Tube「奈良、時の雫」を観て⇒
東大寺周辺の、たとえば二月堂の夕景、戒壇堂から二月堂、不動堂の木蓮などなど、いくつかを紹介していただくだけで、たいへん魅力的に思えました。
「映像詩・東大寺」ということでタイトルも決まったとき、保山さんが、実はテレビカメラマンとして「お水取り」を撮られていることを知り、驚くばかり。で、それらも上映していただけることになったのです。

※保山耕一さんプロフィール
1963年生まれ。奈良県生駒市在住。フリーランステレビカメラマン、映像作家。テレビカメラマンとして「THE世界遺産」「情熱大陸」などを担当。2013年に直腸癌で余命宣告を受け、現在も治療中。闘病中に「奈良には365の季節がある」をテーマに撮影を始める。 現在、映像作家として活動。2016年、春日大社にて「映像詩・かすがの煌めき」を奉納上映。 同年、虎ノ門ヒルズメインホール及び奈良春日野フォーラム甍能楽ホールにて「映像詩・桜とともに生きる」を上映。 2017年、奈良県文化会館国際ホールにて「千住真理子&保山耕一、音楽と映像で巡る奈良の四季」を開催。 同年10月、有楽町よみうりホールで開催の奈良県シンポジウム「奥大和に咲いた維新の桜、志に散った天忠組」を演出、映像作品「天忠組」を上映。

保山耕一氏


博物館HPにも申込フォームが設けられますが、ワタクシのほうでも受け付けいたします。
右のメールフォームからご一報くださいませ。


Posted on 2018/01/19 Fri. 21:45 [edit]

category: 奈良国立博物館

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19

雨の御蓋山 

結構雨が降りましたね。
お昼から博物館へ出かける予定があり、傘を持って外へ出たら「あれー、やんでるやん」
傘って片手がふさがるので、晴れたら邪魔ですよね。すぐ忘れたりするし^^; 
引き返して傘を置き、万一のために折り畳みをカバンに放り込んで出かけたのですが…。

逆のパターン(降ってなかったのに出たとたん雨が降り出す)はこれまで何度も経験あるのですが、こんなの初めて。
ほほほ、今年はようやくハレオンナになるかー♪

けれども、結局、帰りは大雨に遭い、小さな折り畳み傘は役立たずということに(笑)

でもね、雨ならではの素敵なことに出あったのですよ。
博物館を出たら、雨脚は強かったのですが、おお、御蓋山が!

180117御蓋山

↑鹿さん「こんな日になにしてんの~」


180117御蓋山2

180117御蓋山3


ほんとうに秀麗な神山なのですが、普通の日は背後の山と重なってわかりにくいのです。

たとえば、県庁屋上から。

御蓋山5月

↑中央に御蓋山


日航ビアガーデンから。

1708御蓋山

そういえば、以前も、雨上がりに姿を現した御蓋山のことを書いたことが。⇒


御蓋山って、普段は目立たず、主張しないけれど、静かな存在感がありますね。尊敬しています。
たまーに、こんな雨の日にこっそり姿を現したお山と、ひそかにお話しできたような気分…


Posted on 2018/01/17 Wed. 22:02 [edit]

category:

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17

カセットテープ 

ここ数日、かかりきりになっていた「奈良八重桜の会」会報がやっと完成!

180115会報1面

任せられているとはいえ、1人の独断と偏見満載なので、ただいま役員の皆様にチェックしてもらっているところ。
昨年の愛でる会は内輪だけで行ったのだけれど、今年はまた一般募集も行う大きなイベントなので、一応そういう仕様で編集。

4月15日(日)、奈良女子大学記念館(国重文)を会場に、素敵なイベントが実現~
まだ、役員だけの共通認識なので、改めてご案内しますね。


終わったー!
でも、すぐに次の仕事にかかれない^^;

突然思いついたのが押入れ掃除(笑)
引っ越してきた25年ほど前から、そのままになっている部分もあったりして^^;

忘れているものがいっぱい。
こ、これはカセットテープ!

180115テープラック

えー、こんなアナログテープ、もう役に立たないのと違うやろか。処分しなきゃね。
なんてったって、40年ほど前のもあるので。
イメージとしては、テープがくっついて動かない、って感じ。

し、しかーし、試しに聴いてみるとビックリ! ダメージなく聴けるではないか。
すべてOKみたい。

カセットテープって、意外に丈夫だったんや!
USBメモリースティックなんぞはもう2本ぐらい壊れてしまい、完全に信頼を失ってしまったというのに、へ~、アナログって長持ちするのかもね。

片っ端から聴き始めて、思い出がよみがえることといったら。

180115テープ

↑グレープがある。10代の頃かも。
ムード音楽は、あの頃、エレクトーンをやっていた名残やね。

それから、この木製のテープラックは、たしか、何かに応募して当選したんだったっけ。
後にも先にも人生一度きりの当選であるかも(笑)

Posted on 2018/01/15 Mon. 19:20 [edit]

category: 日記

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15

年賀状2018 

今日は年賀状のお年玉抽選日でしたね。
それなりに楽しみにしています(笑)
明日の朝刊に発表されるはずですが、ネットで確認。

dims.jpg

結果は、夫もワタクシも切手シートが1枚ずつ。

若い人たちには年賀状離れをしているようですが、ワタクシにとってはやはり大事な年中行事ですね。
会ったこともない読者の方との交換も楽しく、励まされたり…
一部、抜粋してご紹介してみます。

東京都東村山市 Mさん
時々バックナンバーを取り出して読んでいます。また奈良に行きたいです。



愛知県豊田市 Mさん
あいかわらず奈良を歩いております。年齢がふえてくると行動範囲も狭くなってしまいますが、電車、バスを使ってはせっせと歩いております。


東京都大田区 Hさん
昨年も大和路の旅に参加できませんでしたが、一人旅の参考にさせていただいています。



東京都武蔵野市 Sさん
スローペース発刊大丈夫ですよ。百年生きる時代だよって。
悔いのないお仕事をして、スローペースでいつものように、読者がうなずく内容の「かぎろひ」発行を心待ちにしています。



北葛城郡王寺町 Yさん
歴史探訪で久度神社にご参拝いただいたこと、ありがとうございます。
延喜式の神明帳にも記されており、火や農業の神様、かまどの神様として私たちも信仰しております。徒歩10分ばかりの近くで、清掃奉仕にも参加しています。
私、脚を痛めウォークに参加できないのが残念です。誌上参加で貴会の歴史探訪を堪能させていただいています。



北葛城郡河合町 Tさん
かぎろひ歴史探訪ウォークが私の生き甲斐です。
毎回、気持ちは皆勤賞を目ざしますが、身体が追いつかず…。もっと足を鍛えて今年こそは…



どうもありがとうございます。
細々とがんばりまーす。

180104年賀状

Posted on 2018/01/14 Sun. 22:35 [edit]

category: 日記

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