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かぎろひNOW

悠久の奈良大和路を一歩ずつ  風景、もの、人…との出会いを楽しみながら

大阪市立美術館「木×仏像」展 

大阪市立美術館で特別展「木×仏像ー飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年」が開催中です(4.8~6.4)。

開幕前日(4月7日)の記者内見会へお招きいただき、喜んではせ参じたというのに、ご報告が遅くなってしまいました。
(会場では撮影禁止です、念のため)


なんといっても、360度どの方向からでも拝することができる展示構成に感動!

170407後ろ2

170407後ろ3

170407後ろ

170407後ろ4

170407横

170407横3


仏像を拝するとき、これまで木材の種類は何かなんて考えなかったのですが、時代とともに変化していっているのですね。

飛鳥時代(7世紀)の菩薩立像(東京国立博物館蔵)。材は硬いクスノキ

170407飛鳥仏


奈良時代(8世紀)になると、たとえば、唐招提寺の伝獅子吼菩薩立像はカヤ材による一木造。彫りやすく香りも強いとか。

170407唐招提寺薬師如来


東大寺の弥勒如来坐像「試みの大仏」(8~9世紀)もカヤ材。像高約40㎝なのに大きく見えて、迫力あり。

140407東大寺試みの大仏


宮古薬師堂(奈良県磯城郡田原本町)からお出ましの薬師如来坐像(9世紀)の材は針葉樹林による一木造だそう。

170407宮古薬師如来


平安時代以降はヒノキが主流に。
クスノキやカヤよりも軽い。

新薬師寺の四天王立像(13世紀)はヒノキの寄木造。

170407新薬師寺

寄木造は、一木造に比べると、グッと軽くなるようですね。


清凉寺本尊によく似た釈迦如来立像(奈良国立博物館蔵)(13世紀)はカヤ材の一木造

170407釈迦如来立像

↑向こうは大阪・来迎寺の釈迦如来立像(13世紀)。材はサクラらしい。


江戸時代(17世紀)の円空仏

170407円空仏


どちらもヒノキ材ですが、十一面さんは一木造。
秋葉権現三尊像もヒノキですが、一材を縦に三分割して、それぞれの姿を彫りだしたものとか。


さて、今回の特別展の顔とも言える宝誌和尚立像(11世紀 京都・西往寺)の木材ははて?

170407宝誌和尚立像


仏像に使われた木材の種類を知り、失礼にもぐるりとお像を眺めまわしていたら、祈りの心を忘れてしまうのでは? と思われそうですが、実はそうではありませんでした。山中に立つ大木を畏敬の念を抱いて仰ぎ、伐り出し、形を整え、仏を彫る、というつながりを感じることにより、仏像造立に関わった人の気持ちにちょっと寄り添えたような気がしています。


※特別展「木×仏像ー飛鳥仏から円空へ 日本の木彫仏1000年」
 平成29年4月8日(土)~6月4日(日)
 月曜日休館(ただし、5月1日は開館)
 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
 大阪市立美術館→

170407木と仏像




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Posted on 2017/04/21 Fri. 07:51 [edit]

category: 展覧会

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