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かぎろひNOW

悠久の奈良大和路を一歩ずつ  風景、もの、人…との出会いを楽しみながら

手作り“ゆべし” 


大掃除三昧の1日。
普段、手抜き、手抜きなので、ふうっ。

そんなとき、ピンポーン。
小包が届いた。
開けると、手作りの“ゆべし”が入っていた。


ゆべし(柚餅子)は、ゆずをくりぬいた中に、つめものをした十津川の名産。
ごま、とうがらし、昆布、椎茸、そば粉などと特性みそを混ぜ合わせて、2か月ほども寒風にさらして作るというもの。
わらに巻いた、どこかユーモラスな格好で売られていることが多い(左の写真はネットから拝借)。

今回送ってくださったゆべしは、十津川出身で奈良市在住のUさんがご自分で作られたもの。

十津川では、この季節どこの家でも作るのだという。

買ったものに比べると、つめものの部分が色も浅くやわらかい。香りがいい。
発酵させた保存食というよりも、作りたてのような新鮮さがある。
ワタクシはこちらのほうが好みカナ。

ご本人には直接お聞きしていないのではっきりしないが、機会があればまたお尋ねしてみよう。

ごはんのおかずというよりも、お酒のあてに最高!


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


今年5月から始めたブログライフ、意外にも(と言ってはなんですが)結構楽しい日々でした。

忙しさの合間の更新は、生活に張りを与えてくれたような気がします(その分、HPの更新を怠っていて、まだ最新号がアップできていない状態です^^; ナラ咲くの「奈良の情報誌をご紹介」のところに、いち早く「かぎろひの大和路」のカテゴリを作っていただきながらまだ申し込んでおらず、スミマセン。HPをきちんとアップできたらお願いしたいと思っています。お正月中には…)。

現在、1週間のうち2~4日を高野山麓の実家で過ごすという生活になっています。
思うにまかせない部分もありますが、デスクワークにはむしろ静かな高野山麓のほうが能率が上がるし、故郷再発見の気分もあり、この二重生活をエンジョイしない手はないと思っています。
周囲の皆様のご理解とご協力に感謝しております。

『かぎろひの大和路』は、これまで通りスローペースの発行となると思いますが、ご了承くださいませ。

次号の特集は、葛城の道②を予定しております。
またいろいろと教えていただければうれしく存じます。
どうぞよろしくお願いします。
未知の道を歩き、人や風景に出会うことを思うと、もうワクワクしてしまいます。

本年のブログはこれにて最終となります。
お読みくださった皆様、ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えくださいますように。

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Posted on 2009/12/30 Wed. 23:49 [edit]

category: こんな品

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30

純米酒 黒牛 

実家での餅つき大会前夜は、当たり前に宴会とナリニケリ。

ちょっと奮発して、てっちりとてっさ。

早寝の父に合わせて、5時に開宴したものの、各地から五月雨式にやってくるので、宴は果てしなく続く。
就寝したはずの父が起きてきて、再び加わるというハプニングもあったりして。


なぜか、飲まない、飲めないという人は皆無。

地元で買って、いつも評判がいいのが、名手酒造の「純米 黒牛」。
吟醸と言ってもいいような上品な味わい。

黒牛というのは、地名。
この蔵がある和歌山県海南市黒江は、その昔、黒い牛の形をした石があったことから、その名がついたと言われる。
『万葉集に』3首、黒牛の名が見える。

黒牛の海 紅(くれない)にほふ ももしきの大宮人し 漁(あさり)すらしも 
(巻7ー1218)

黒牛潟 潮干の浦を 紅(くれない)の玉裳裾ひき行くは誰が妻
 (巻9ー1672)

いにしへに妹とわが見しぬばたまの 黒牛潟を見ればさぶしも 
(巻9ー1798)


蔵の脇には、犬養孝揮毫による歌碑が建っているという。


※名手酒造
http://www.kuroushi.com/

Posted on 2009/12/30 Wed. 00:24 [edit]

category:

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30

餅つき 


年末に、高野山麓の実家でお餅つきをするのが恒例行事になっている。

餅つきの慣習などすっかり途絶えていたのだが、孫(ワタクシの娘)が生まれた翌年、父が一念発起して、新たに臼と杵を買い求め、それ以来、毎年欠かさず続けてきた(写真は餅つきスタートの年に、父が半切りの裏に書いてあった文字)。

その娘も今年、23歳。
子供たちが小さい頃は全員参加していたが、成長するにつれて、集まりも悪い。

それが今年は9人集合して、にぎやかな餅つき大会となった。
父を元気づけようという思いが皆の胸のうちにある。

これまでずっと、餅つきの全ての段取りを母に任せていた。
準備が整ったところへのんびり行き、レールにのって作業をしていたに過ぎない。

ところが!
思いがけなく昨年、母が逝き、気がつくと、何の伝授も学習もできていない(>_<)
真面目に覚える気がなかったのね~。



前日、餅米を洗うのに1時間^^;

臼の中の餅の手入れをする合いの手も、母がいつも中心になっていたのだが、今回はワタクシがその大役。
つき手とのタイミングの取り方がずれてマッタをかけたり、お餅が熱すぎて悲鳴をあげたり…。
中腰の姿勢もかなり疲れる。

できたお餅を小分けにとっていくのも難しい。
なかなか同じ大きさにはならないし。

ああだ、こうだと言いながらも、なんとか、午前中には無事終了。

来年はもう少しうまくできるだろうか。

母がいなくなってから、母の偉大さを感じることが多い。

そしてワタクシ、ただいま筋肉痛。


Posted on 2009/12/29 Tue. 00:53 [edit]

category: 高野山麓から

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29

モンベルのダウンジャケット 

クリスマスプレゼントに、こんな物をいただいたface02
モンベル「U.Lダウンインナージャケット」


     着てみる。

     軽い!

     ウソッと思うほど軽い。
     着ていることを忘れそう。
     180グラム、ですって。

               そして、あったか~い。

さらに驚くのは、こんな小さな袋(10×17㎝)に収納できてしまうこと(おっと年賀状。実は書いている最中に撮影だけ)。

ダウンの反発力=復元力を表すフィルパワーという数値がある。
一般的に、550フィルパワーで高品質とされるそうだが、このジャケットに用いられているダウンは800フィルパワー。

ユーラシア大陸の寒冷地に生息するグース(ガチョウ)から採取したものだという。
寒暖差の激しい気候が、断熱性にすぐれた良質なダウンを育むのだとか。

さらに、回復性を高めるために、スモールフェザーを10%混入した製品とのことである。

うわぁ、なんか、調べるほどに、いいものいただいたのだと、恐縮至極。

寒さの中を歩くのが好きなワタクシ、もうこれは手放せそうもない。
早速、これを着用して高野山麓へ来た次第。
ルンルン♪ 快適♪♪

極寒の地(どこや~)へ行くときは、インナーとして活躍してくれそう。

モンベルのホームページを見てみると、900フィルパワーのダウンというのもあるようだ。

http://webshop.montbell.jp/common/system/user/infomation/disp.php?site_category_id=2&infomation_id=111

Posted on 2009/12/26 Sat. 18:22 [edit]

category: こんな品

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26

奈良県立美術館 

絵を見るのが好きな娘(学生)が言う。
「奈良県立美術館のホームページはひどい! お母さん作ってあげたら。」
と、と、ちょっと、ちょっと…。

娘が言うには「他府県の美術館のサイトはそれはもう各自趣向を凝らしていて楽しいのに、奈良県立美術館のはあれを見ただけで行く気が失せるほど」らしい。
普段はあまり悪口など言わない娘が、語気を荒らげての辛辣な言葉なので、どれどれとチェック!


奈良県立美術館
http://www.mahoroba.ne.jp/~museum/

どうやら、独自のホームページではなくて、奈良県のサイトに付随しているもののよう。

で、関西の府県立の美術館のサイトを見ることに。


大阪府立現代美術センター
http://www.osaka-art.jp/

京都府京都文化博物館
http://www.bunpaku.or.jp/

兵庫県立美術館
http://www.artm.pref.hyogo.jp/

和歌山県立美術館
http://www.bijyutu.wakayama-c.ed.jp/

滋賀県立近代美術館
http://www.shiga-kinbi.jp/

三重県立美術館
http://www.pref.mie.jp/BIJUTSU/HP/jp/home.htm

ううむ。確かに、奈良県はちょっと貧疎でありますな。

昨日で終了した特別展「神話~日本美術の想像力」は、最終の休日にあたる23日に行ったのだが、人がまばら状態(先日の兵庫県立美術館は平日なのに混んでいた)。

内容がすばらしかっただけに、もったいない、広報が行き届いてないせいだろう、と思わないわけにはいかない。
「TRENDY 美術空間」の著者も「もっと宣伝を」と書かれている。
しかも、今回の特別展は「平城遷都1300年祭プレ展示」と謳っていたのだ。



そういえば、ナラ咲くでも話題にならなかったよね。
「正倉院展」や阿修羅が毎日のように取り沙汰されるなかで影が薄すぎた。

企画された学芸員さん(カナ)の熱意や夢も感じられる展示だっただけに、もっとたくさんの人に観ていただきたかったと思う。

奈良県立美術館、特別展中の金・土・日は、21時までの開館だという。
う~ん(?_?)

夜間延長よりもホームページの充実が先決では?

Posted on 2009/12/25 Fri. 18:59 [edit]

category: 奈良市

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25

TRENDY 美術空間 

10月24日から本日12月24日まで、奈良県立美術館で特別展「神話~日本美術の想像力~」が開かれていた。

行けたら行こうと思いながら、ずっとそのままになっていて、もうあきらめようと思いかけた途端、こんなサイトを見て、俄然その気になった。

TRENDY 美術空間

http://www.trendy.co.jp/artreport/web/index.html


こちらでレポートされているように、ビッグネームの画家が揃い、何ともぜいたくな、見ごたえのある展覧会だった。

あ、今日でおしまいなのに、あまり良かった良かったというのも気がひけるので、この話題はピリオド。


「TRENDY 美術空間」の著者は以前、奈良国立博物館の副館長を務めていらしたSさん。

奈良国立博物館でご活躍のあと、東京国立博物館では総務部長としていろいろ画期的なことをされていたと思う。今は京都在住のよう。

こんな肩書きを見ると、かなりいかめしい官僚を想像してしまう向きもあろうと思う。
が、サイトのプロフィール「関東・関西のミュージアムに勤務した経験があるミュージアム愛好家」という謙虚な書きぶりからもお人柄がわかろうというもの。
奈良在住時代には鹿さんともオトモダチだった。

以前はメールマガジンのようなものを発行されていたので、私は毎日のようにそれを受け取っていた。

時間の許す限り博物館や美術館を回られてのレポートは、いわばプロの視点なので、素人には気づかないところが多く、いつも新鮮に読ませていただいていたのだった。
時折ダジャレの入る文章にクスッ。
ユーモラスで楽しかった。

最近メールマガジンが途絶えたと思っていたら、それが「TRENDY 美術空間」に進化したようだ。


じつは、私はSさんに、ものすごく恩義を感じていることがある。

というのも、東京国立博物館ショップに『かぎろひの大和路』を置いていただけることになったのは、Sさんの力以外の何ものでもないからである。

数年前、東京在住の読者数人が時を同じくして「東博に置かれたらどうですか」と言ってこられたことがある。
私は上京の折りがあれば出向いて頼んでみよう、ぐらいに考えていた。
ところがそんな機会はなかなかこない。
で、思い切ってSさんに、お手紙とかぎろひ誌を同封してお願いしてみたのだ(普段は引っ込み思案のワタクシ、なぜか仕事がからむと時に大胆になる。と自己分析^^;)。

ほどなくしてメールをいただき、なんとその日のうちに、トップのSさんから何段階かを経て、ミュージアムショップの担当者まで話が進んだのである。

何の義理もないワタクシのような者の、手紙によるお願いに対して、多忙のなかすぐに誠心誠意で行動にうつしてくださったことを考えると、今も感謝の念で胸がいっぱいになる。

Sさん、改めまして、ありがとうございました。

Posted on 2009/12/24 Thu. 18:27 [edit]

category: 展覧会

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24

柿の風呂吹き 

昨日(21日)、忘年会に参加した。
会場は、遊景の宿「平城」。
正倉院の北側から、奈良奥山ドライブウェイを上っていった所に立地するこの宿から見下ろす眺めはバツグン。
眼下に東大寺大仏殿、奈良公園の樹海に興福寺五重塔が浮かぶ景色はいつ見てもウワァーと声が出てしまう。

この日の開会は午後6時。
夜景もまたすばらしきかな、と写真を出したいところだが、撮れず残念。

お料理もたくさん出たのに、写真をとることを忘れていたのは、いつものとおり。
途中、この品が出たときに、ハッとその気になった。


「柿の風呂吹き」

皮をむいた柿まるまるを煮込んだ上に、風呂吹き味噌がかけられている。
教えられなければすぐに柿とはわからなかったかも。
味噌とうまく溶け合う食感に、新鮮な驚きとおもしろさ。

添えられていた「しおり」から。

型の良い固めの「御所柿」の皮をむく。
鍋に酒1、水1の同割で、出汁昆布をいれ柿が浸る程度にして落とし蓋をして炊きあげる。
風呂吹き味噌は、白味噌7,赤味噌3に、砂糖を加え、当たり胡麻を適量入れ酒で薄めて仕上げる。


蕪や大根などの風呂吹きはよく聞くけれど、柿の風呂吹きって珍しい。
奈良の名物の1つになりうる料理ではないかと思えた。
めちゃくちゃおいしい、これさえあれば、というものではないけれども、素朴でほのぼのとした味わいは奈良の魅力とどこか通じるところがあるのではないだろうか。

器も、白地に奈良絵を描いた上品なものが目を引いた。


お開きのあと、二次会のカラオケにも参加、帰宅すると日付が変わる寸前^^;
皆様お疲れさまでございました~。

とても楽しいひとときだったが、ことにうれしいできごとがあった。

じ・つ・は、10年前のお礼を西山厚先生に申し上げる機会に恵まれたのだ。
http://kagiroi.narasaku.jp/e15599.html


しかも、即座に「ああそれはね、確か空海と最澄の話をした後、アンケートに書いてくれたときのことです」と、具体的に覚えてくださっていたことにもビックリ。
じわじわと感動をかみしめている本日。

西山先生の講演はいつもヒューマンな内容に心ゆさぶられるが、まぢかに接してもやはり魅力的な方でありました。

Posted on 2009/12/22 Tue. 15:19 [edit]

category: こんな品

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まんとくんネット 

12月15日の春日若宮おん祭「大宿所祭」のブログ記事を、「まんとくんネット」にリンクしていただきました。
http://mantokun.net/news20091215_ooshukushosai.html
まんとくん、グッズも増えて、ずいぶん充実してきているのですね。
http://mantokun.net/

では、もういちど、12月15日のまんとくんをどうぞ!かわいいっ。

Posted on 2009/12/21 Mon. 01:21 [edit]

category: 耳より情報

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純米大吟醸「大和思ひ」 


3泊4日の高野山麓滞在から奈良へ戻ると、こんな贈り物が届いていた。

純米大吟醸「大和思ひ」(中本酒造店)。

先日の「かぎろひ」(芳村酒造)もそうだったが、このところ不思議にご縁続きのお酒が多い。

こちらは、『かぎろひの大和路』最新号「蔵めぐり」の欄で取材したばかり。
取材後の試飲の後、買ってきたのがこの「大和思ひ」だったのである。

ネーミングが素敵だと思っていたら、やはり万葉歌からとられたようだ。
瓶の後ろに、笠金村のこんな歌が書かれていた。

越の海の手結(たゆひ)が浦を旅にしてみればともしみ日本(やまと)思ひつ
(3-367)


これもお正月用に。
お正月には酒豪がうちそろう予定だが、これで結構ストックができたicon22
Yさん、ありがとうございます。

※中本酒造店
生駒市上町1067番地

http://www1.kcn.ne.jp/~yozaemon/

『かぎろひの大和路』誌上
http://www4.kcn.ne.jp/~kagiroi/sake/kurameguri.html

Posted on 2009/12/19 Sat. 23:54 [edit]

category:

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編集いま昔 


機関紙編集の残りの1ページを、高野山麓で作業をして、昨夜のうちに先方へ送っておいた。メールの添付と、念のためのファクシミリと。
締め切りが今日の午前中だったもの。

少しホッとして、それにしても、と思わないわけにはいかない。
山間の地にいても、締め切りに間に合わせてすばやく送ることのできる便利さ。
こんな時代がくるなんて、初めて編集の仕事についた頃には考えられなかったゾ。


つらつら思い出してみる。
記事は原稿用紙に鉛筆で手書き。ちょっと濃い目のB。消しゴムも必需品だ。
レイアウトは割付用紙に(レイアウトなんて言ってなかったなあ。わりつけ。今もワタクシはこの日本語のほうが好き)。

写真はもちろんフィルムカメラで。現像できるまで不安だった。
あるとき馴染みの写真屋さんにカメラを持って行ったら(急ぐ時は撮影済みのところでフィルムを切ってもらう。残りのフィルムはまた使える)、しばらくして「大変だぁ」とおじさんが出てこられた。「フィルムが入ってないよ!」
泣きそうになった。

写真には丁寧にトレーシングペーパーをかけて、左右、天地の長さを明記しておく。トリミングしたい場合は紙の上にそのように示す。


活字(活版印刷)の最後の時代だったと思う。
というか、終焉を迎えていたのに、そこの編集長は活字にこだわっていた。
活字で印刷されると、紙面が少し凹む。存在感があってこれが美しいのだといつも言っていた。その方もすでに世を去られた。

校正は、字句を修正する場合でも、他の行に及ばないようにできるだけ1行で何とかしなければならなかった。たとえば1字増えると、どこかで1字減らす工夫をする。別の言葉に置き換える、読点や句点を半角にする、接続詞や助詞はどうか、など。どうしても1行では無理でも、せいぜい2~3行までの範囲でというのが暗黙のルール。3行に及ぶとお説教されたような。
これは、できるだけ活字職人さんの手をわずらわせないようにという配慮から。職人さんは活字を拾う、組む、と大変な作業だったのである。

校了(最終校正)はいつも、印刷所に出向いて一日を費やす(「出張校正」と呼んでいた)。
昼食は印刷会社が接待してくれるのがおきまりだった。
夕方一段落しての帰り、難波あたりの安い居酒屋で「ちょっと一杯」。
(エッ。20代からオッサンだった? どて焼きを初めて知ったのはこのとき…^^)


その後、写植(写真植字)全盛の時代となる。
旧の『かぎろいの大和路』発刊はこの頃。
家族経営の写植屋さんにお世話になっていたので、最終はいつも夜中まで作業をさせてもらった。夜が更けてくると、間違いを見つけてももう頼む強気はなく、見出しや固有名詞以外はあきらめたこともある。旧かぎろい誌にやたら誤植が多いのは、たぶんこのためもある、と思う。


それから、ワープロ専用機の時代。
ワタクシが愛用していたのは、シャープの書院。
レイアウト機能付きの結構すぐれもので、編集作業をしていたっけ。
パソコンの倍の労力がかかったと思う。
行間を決めるのも、ややこしい計算をしなければならなかった。
斜めに線が引けない(いや、引けないのではなくて、一気に引けない^^;)

パソコンに変わって(10年前くらいか)いちばんうれしかったのは、消してしまったものが復活すること。
ワープロ専用機は一度消去したものは二度と戻らない。これで何度泣いただろう。

先方に原稿を送るのだって、郵送、速達、急ぐときは新幹線便、やがてファクシミリが普及して便利にはなったが、写真は別便で送らなければならなかった。


ふり返ると隔世の感がある。
でも、たかだかここ20~30年ぐらいの間のことなのよね。

こんな便利な世の中になったおかげで、仕事をしながら実家で滞在することもできる。
ありがたい。
だが、人間同士のつながりはまちがいなく希薄になっている。

※今朝、高野山麓は初雪。
ああカメラ持ってくるんだったわ~。

挿入写真は全て、昨年1月に撮った五條市内。
吉野川、金剛山、栄山寺など。

Posted on 2009/12/18 Fri. 13:49 [edit]

category: 仕事

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