かぎろひNOW
悠久の奈良大和路を一歩ずつ 風景、もの、人…との出会いを楽しみながら
大織冠と秋篠

下宿中の娘が選挙のために帰ってきて、この前と同じ顔ぶれがうちそろい(6人)、宴会に。
今回は買いに走らなくても、とっておきのお酒がある。
純米吟醸「大織冠」と、
同じく純米吟醸「秋篠」。
「大織冠」は、多武峰山麓、聖林寺近くにある蔵元、西内酒造(桜井市下3番地 電話0744-42-2284)のお酒。
西内酒造の主要銘柄は「談山正宗」。
「大織冠」のほかに、にごりの「大名庄屋酒」、また仕込み水の替わりにお酒を使った「貴醸酒」、さらに貴醸酒で仕込んだ超ぜいたくな「三累醸酒」などもあり、これらについては、また日を改めて紹介したい。
嘉永年間から続く蔵は、談山神社の旧参道にあり、風情たっぷり。
4年前のNHKドラマ「ダイヤモンドの恋」の、ロケ現場となったのがこの蔵である。

純米吟醸「秋篠」は、唐招提寺近くの「西の京地酒処 きとら」で、名前にひかれて購入。
梅乃宿酒造の製造だが、きとらさんだけで入手できるお酒。
秋篠のお土産にぴったりよね。
http://www.kitora.com/
宴はお開きとなり、片づけ物を終えると、こんな時間!
さあ明日も仕事山積。おやすみなさい。
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マルコ山から束明神古墳へ

飛鳥駅前の総合案内所「飛鳥びとの館」へ納品に行く。
その後、いつものように、どこへ行こうか思案した結果、先日から、かぎろひ掲示板で話題になっていた束明神古墳のほうへ行くことに決定。
今日歩いたのは、
飛鳥駅→岩屋山古墳→マルコ山古墳→束明神古墳→岡宮天皇陵→壷阪山駅
真弓の丘から佐田の丘へというコース。
近鉄吉野線から西側の地域って、実はちょっと好き。
観光コースからはずれるのだろう、驚くほど人が少ない。
しかし、点在する古墳群は超一級。
あっけらかんとした石舞台古墳などと違い、どこか湿り気を帯びたこれらの古墳群の中を行くのは、実のところ、少し不気味でこわくもあるのだが、不思議な魅力があるのも事実。
今日もまた土地の人以外誰にも会わなかったなあ。
暑かった~。

近鉄飛鳥駅のすぐ西、岩屋山古墳。
7世紀の古墳とみられているが、高度な技術による精巧な石室がみごと。
巨大な花崗岩の切石が美しい。

マルコ山古墳。
二段築成の六角形墳と考えられている。
夏草におおわれた古墳の前には、花が飾られていた。

真弓の丘から佐田への山道。東へ開ける景色がいい。

被葬者は草壁皇子説が有力な束明神古墳と、春日神社(古墳は境内にある)。
発掘調査がされて新聞紙上をにぎわしたのは昭和59年。
奈良で住み始めた頃だったか。

宮内庁が定める岡宮天皇(草壁皇子)陵と、隣の素盞鳴命神社
屋根をたたいて降ってきた木の実と、周りの田園風景
真弓の丘を歩いてきたから、連勝を確信していたのに、負けたとは

ハッ、真弓の丘を越えたのがまずかった!?
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唐招提寺の天平香

唐招提寺のお土産として、お香の人気が高い。
「鑑真香」と「天平香」の2種がある。
今回は天平香の話。
天平香は「瓊花(けいか)」のお線香。
瓊花は、鑑真和上の故郷揚州の花で、和上がお亡くなりになって1200年にあたる昭和38年(1963)に、中国の仏教協会から唐招提寺へ一株贈られた。
日中国交正常化(1972)以前の話ということに驚く。
鑑真さんの力は偉大だ。
それが株を増やし、御影堂供華園で一般公開されるまでになった。
毎年春の公開を心待ちにしている人も多いことだろう。
中国から1株の瓊花が贈られたとき、それはオオデマリに接ぎ木されていたという。
オオデマリも瓊花もスイカズラ科だから、最初はそういう育て方をするのだろうか。
瓊花が日本の地にやってきたのは、唐招提寺が初めてだったと思われる。
今もどこでも見られる花ではないが、お寺から贈られた数か所の、鑑真和上ゆかりの地で見ることができる。
ひとつは、和上が日本に上陸された、現在の鹿児島県坊津(ぼうのつ)町秋目。
そして、そこから和上が大宰府へ行くときに上陸された有明海側の、現在の佐賀市久保田町。
ここの森林公園に「鑑真和上上陸の碑」があり、この周辺に植えられているとか。
鹿児島県坊津町秋目にも、「鑑真和上上陸記念碑」がある。
両地の瓊花は元気で育っているのだろうか。
私自身が見たわけではないので、現在の様子はわからないが、ご存じの方、情報をいただけたらうれしい限り。
東大寺にあるのは、万一の生育を心配された森本孝順長老が、懇意だった花の好きな上司永慶師に株分けして預けたことが発端のよう。その後、息子さんの永照師が育った瓊花を、唐招提寺にお返しに行ったという話もなんだかほほえましい。
法華寺にある瓊花については、tetsudaさんが以前ブログで紹介されていた。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/f81c0ce8b07e2139bd5c43d08385c849
とっておきの情報をひとつ。
近々、唐招提寺のお香に、、蓮の花が加わる。
10月頃に発売の予定。
長くなったので、またいずれ。
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唐招提寺金堂の平成大修理
以下の写真は、見学会のときのもの。
構造補強を検討するためにつくられたという10分の1の模型。
白い部分が、新たに挿入した補強材という説明があった。



パネル説明をご参考に。
(クリックで大きくなります。)
今回の大修理で、新たな発見がいくつかあった。
扉の金具の下から見つかった彩色文様もそのひとつ。

金具のおかげで奇跡的に彩色が残っていたということだ。
再び金具が取りつけられた。
どうやら扉全体にも華やかな文様があったよう。
何だかピンとこない。
今とはずいぶん趣がちがったということだろう。
唐招提寺の大修理は、平安、鎌倉、江戸、明治、そして平成。
次は100年後か、200年後か?
10年の歳月をかけた平成大修理は、多くの方々の知恵と技術を結集した最新最高のものだったはず。
それはまた、過去の大修理に携わった方々との共同作業でもあったのではないか、と思うと、なにかワクワクするものがある。
見ず知らずの過去の作業者に信頼感や親近感を抱き対話しながらの作業だったのではないか、技術者だけが理解しうる世界なのではないか、それぞれの胸のうちに秘められた感慨があるのではないのか、と想像はふくらみ興味は尽きない。
現場で作業をされた人々の話を聞いてみたいもの。
皆様、たいへんたいへんお疲れさまでございましたm(_ _)m
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唐招提寺金堂の鴟尾
唐招提寺ファンとしては、金堂のいよいよの落慶で、胸が高鳴る。

これから歴史を刻んでゆく真新しい平成の鴟尾。

すっかり新しくなった鴟尾を見ていると、長年の風雪に耐えてきたあの鴟尾たちに、もう一度感謝と敬意を表したいという思いにかられる。
最後の見学会のときに、公開された鴟尾。

こちらは東のもの。
鎌倉時代の元享3年(1323)の銘がある。
頭部から腹部までひび割れが生じていたという。
西に据えられていた鴟尾。


思わず、「お疲れさまでした」と声をかけたくなる痛々しさ。
創建当初から日本の歴史を見守り続けてきたお方。
どうぞゆっくりおやすみくださいませ。
って、ついつい感情移入してしまうほどの風格。
なにしろ、鑑真和上に同行してきた技術者の指導でつくられたと考えられている鴟尾なのだ。
これらの旧鴟尾は、新宝蔵で観ることができる。
見学会時の写真をもう少し(2007年11月4日撮影)


これから歴史を刻んでゆく真新しい平成の鴟尾。

すっかり新しくなった鴟尾を見ていると、長年の風雪に耐えてきたあの鴟尾たちに、もう一度感謝と敬意を表したいという思いにかられる。
最後の見学会のときに、公開された鴟尾。

こちらは東のもの。
鎌倉時代の元享3年(1323)の銘がある。
頭部から腹部までひび割れが生じていたという。
西に据えられていた鴟尾。


思わず、「お疲れさまでした」と声をかけたくなる痛々しさ。
創建当初から日本の歴史を見守り続けてきたお方。
どうぞゆっくりおやすみくださいませ。
って、ついつい感情移入してしまうほどの風格。
なにしろ、鑑真和上に同行してきた技術者の指導でつくられたと考えられている鴟尾なのだ。
これらの旧鴟尾は、新宝蔵で観ることができる。
見学会時の写真をもう少し(2007年11月4日撮影)



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唐招提寺金堂

写真は、8月23日、萩の花がほころび始めていた唐招提寺金堂前。
金堂の落慶法要は、11月1日~3日。
この間のスケジュールは教えていただいたのだが、どうやら一般拝観はかなりきびしい状況になりそうなので、ここでの詳しいご紹介は控えたい。
なにしろ、招待客だけで1000~1300人。
たとえ、かけつけたとしても、近くからの金堂拝観は難しいと思われる。
4日以降のご参拝をおすすめしたい。
とはいえ、10年の大修理を終えた落慶法要に立ち合いたい気持ちは誰しもありますよね。
慶讃法要、舞楽奉納、壬生狂言、能、中国僧による奉納や楽曲奉納など3日間びっしりとスケジュールが組まれているのだ。
でも冷静になって、やっぱり4日以降にしましょう。
法要の様子はテレビでどうぞ。
11月3日7時55分~10時54分、TBS「唐招提寺1200年の謎」という番組で、ライブをまじえ放映される予定。
金堂の屋根瓦は、約80%が新しく焼かれたもの。
流用された20%の古瓦は東の屋根に集められている。

屋根瓦の色が違うのがわかりますか。
もう少し近づいてみると。

ねっ、中央が濃い色で、両側は微妙なグラデーションを描いているでしょっ。
一番多いのが明治のものらしい(このあたりきちんとした取材を経ていませんので念のため)。
金堂の背面(北側)へ回ると。

右から数えて4本目の柱(中央の扉の右)だけが新しくなった。
色がやや明るいのがみてとれる。

金堂の北側にある講堂(国宝)。
平城宮の東朝集殿を移築したものとして知られる。

ここに、現在、金堂仏が数体(6体だったかな)安置されている。
梵天、帝釈天、四天王立像。
もちろん全てが国宝。
金堂へ戻されてしまうと、ちょっと見にくくなる(失礼、拝しにくくなる)と思われるので、ある意味、今がチャンス。
ここでは、間近で、ゆっくりのんびりと、心ゆくまで拝すことができる。
今日はここまで。
しばらく、唐招提寺の話題でいきま~す。
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唐招提寺地蔵堂特別開扉

写真は8月23日(日)午前9時30分頃の、唐招提寺金堂。
『かぎろひの大和路』復刊26号「秋篠川流域」特集号の取材もほぼ終わりに近づいた。
金堂の落慶法要のことや、お香のことなどを教えていただこうと、以前から存じ上げている執事の石田太一師にご都合をお聞きしていたら、23日を指定してくださった。
この日は地蔵盆で、年に1度、地蔵堂が開扉される。
おそらくそういうご配慮をしていただいたのだと思う。
「秘仏の地蔵菩薩が拝観していただけますよ」とご連絡をいただき、出かけた。
地蔵堂は、境内のいちばん奥(北)の、御影堂と本坊の間にある。

訪ねる人もまばらで、お堂はどこかのどかな雰囲気。

正面に、地蔵菩薩立像(平安時代、重文)。
思っていたよりもお背が高く、158.2㎝とのこと。檜の一木造り。弘法大師の作と伝わる。
切れ長の目、短い鼻筋や厚めの唇など個性的とも言えるのだろうが、少年のような面差しを感じるのは私だけか。
左手の掌に宝珠をかざす。
思いがけなかったのは、このお堂に、鑑真大和上立像が安置されていたことだ。
堂々としたお姿で、合掌されている。
え~っ、こんな鑑真様いらしたのぉ。
どうやら、中日国交正常化35周年に、中国から贈られたものらしい。
ということは平成19年ですか、ね。
脱活乾漆でつくられた立派なお像に目をうばわれた。
地蔵堂は24日も公開される。
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鹿鳴人のつぶやき

毎日いくつかのブログを訪ねるのを楽しみにしているが、昨日、そのうちのひとつ「鹿鳴人のつぶやき」にお邪魔して驚いた

なんとなんと、そこにワタクシの「かぎろひNOW」が紹介されていたのである。
ハズカシッ、でもウレシッ。ホメスギッ。
おかえしというわけでもないけれど、今日は私も。
鹿鳴人さんは、中心市街地の商店街理事長、会社社長、おそらく他のいろいろな重職…。
と、肩書きだけを見たら、かなりいかめしい。
が、実像は、やさしい笑顔と誠実で知的な雰囲気の方。
合唱団でバスを受け持つと聞けば、いかにもそんな感じ。
最近、奈良市内の商店街のあちこちで目に入る
「しみじみと感じる奈良のおもてなし」
はこの方の作品。
3000以上の応募作品の中から選ばれた句である。
入賞した他の作品が、練り上げられた技巧的な秀作であるのに対して、
これはほんとに素直にすうっと出てきたのではないかという感じ。
(鹿鳴人さん、実際はどうだったのですか?)
実は、ブログ「鹿鳴人のつぶやき」を見つけたのは、ほんとに偶然。
昨年末、調べものをしていて、行き当たった。
そして、この写真を見つけたのがきっかけ。
(写真はブログから拝借しましたm(_ _)m)

右のほうで、派手なハッピを着て写真を撮っているのがワタクシ。
うん? このアングルから撮れるのは、時代装束を身につけたオエライさん方しかいないよなあ。う~ん、誰だ?
この日私が撮ったのは

この前列に、鹿鳴人さんがいらっしゃったというわけ。
(デジカメ持ってお渡りしてはったんですかぁ)
しばしの謎解きは、ほんとに楽しかった~♪
「鹿鳴人のつぶやき」
http://narabito.cocolog-nifty.com/blog/
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秋篠の森 Hôtelノワ・ラスール

『かぎろひの大和路』26号「秋篠川流域」特集のなかでとり上げる宿といえば、ここしかないと決めていた。
「秋篠の森」のホテル ノワ・ラスール。

開店25周年を迎え、全国的にファンがいる「くるみの木」が営むゲストハウス。
ホテルは、2004年に誕生。
オーナーの石村由起子さんは、急に出張が入ったとのことでお会いできず残念だったが、スタッフの藤岡さんが素敵な笑顔で出迎えてくれた。
ツインルームとデラックスツインの2部屋だけ。
どの窓からも見えるのは木々の緑。

あらっかわいい、ロビーの窓辺にこんなものが。トトロのしわざ?


森の中で拾った木の実だとか。
思わず心なごみ、話がはずむ。
オーナーの蒐集品やアンティークな家具がさりげなく置かれたしつらいも、いい雰囲気。
できるだけゆったりのんびりくつろいでほしいという心くばりがあちこちに感じられる。
窓から向こうに見えていたのは、「食の円居(まどい)なず菜」。
食事はここでいただく。
なず菜の外にはたきぎ。
そう、ここには暖炉があるのだ。
パチパチと燃える暖炉の火、ろうそくの灯り。冬はまた格別の趣に違いない。

食事は宿泊客だけではなく、一般にも開放。
予約をすればいただくことができる。
和食をベースにした創作料理。
敷地内に、「ざっか月草(つきくさ)」。
個展なども開く。
これらについては、またの機会に。

ツイン2名、デラックスツイン2名(デラックスツインは、エキストラベッド使用で4名まで可)
朝夕食つき
全室バス・トイレつき
宿泊料金は、ツイン1万6800円~
デラックスツイン2万1000円~
(一部屋を2人で利用したときの1人の料金)
いずれも平日料金。
ホテルは毎週火曜(月曜夜も)と第3水曜が定休日。
奈良市中山町1534
西大寺駅から押熊行きバスで約10分、平城中山下車、徒歩5分。
駐車場無料(20台)
http://www.kuruminoki.co.jp/makishino.html
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ならまち寄席

暗いニュースが多い昨今。
こんなときは、大いに笑って憂さをはらすのはいかが。
奈良市の31商店街を束ねる「奈良市商店街振興会」は、お客様への感謝をこめていろいろなイベントをしているが、最近は「ならまち寄席」が人気を集めている。
第3回目となる「ならまち寄席」は下記の日程で実施される予定。
申し込めば誰でも無料で入場できる。
日時:平成21年9月22日(火・祝)
場所:なら100年会館中ホール
開演:14時~(開場13:30~)
出演:露の新治(落語)
笑福亭純瓶(落語)
立山センターオーバー(漫才)
豊来家玉之助(大神楽)
林田麻友子(歌謡ショー)
申し込み方法:
商店街に用意してあるチラシが申し込み用の往復ハガキとなっているので、それを利用して奈良市商店街振興会に送ると、ご招待の返信ハガキが届く。これが入場券となる。ただし、応募者多数の場合は抽選。
締め切りは、9月10日(木)必着。

写真は第2回「ならまち寄席」で熱演中の新治さん。
このときの出し物は、ちょっと艶っぽい内容の「紙入れ」と、お子サマにもウケる「権兵衛だぬき」。
写真担当のワタクシは、つい聴きこんで、シャッターチャンスを逃したり、爆笑のあまり手が震えたり(汗)。
今回も仕事としては一抹の不安はあるものの、楽しみはふくらむ。
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