かぎろひNOW
悠久の奈良大和路を一歩ずつ 風景、もの、人…との出会いを楽しみながら
なら歴史芸術文化村で修復工房見学ツァーに参加
5月16日、急に「なら歴史芸術文化村」へ行く気になったのですが、翌17日、上皇ご夫妻が訪問されたというニュースを見てびっくり。
16日、「文化財修復・展示棟」では、ちょうど、修復工房見学ツァーにも参加できる時間だったので迷わず申し込みました。
※13時に参加券を配布。定員10人。14時5分前に東塔模型前に集合。14時から40分のツアーでした。
薬師寺東塔模型

1階には、触って体験できる、校倉造りの隅組なども

1階は写真撮影OKだったのですが、修復工房見学は×
修復工房見学ツァーは、学芸員の解説つき。この日は若い女性でした。ご自分の経験や感想なども交えてわかりやすく解説してくださり、参加者10人ということもあって、和やかないい雰囲気でした。
ツァーは、建造物、考古学、絵画・書跡等、仏像等彫刻の、4分野を巡ります。
ツァーに参加しなくても、フロアから見学できるのですが、参加すると、もう少し身近に様子がわかる特別エリアへ誘導していただけました。
現在修理中の文化財は、HPによりますと
【建造物修復工房】 多坐弥志理都比古神社本殿
【考古遺物修復工房】 天理市内出土品(寺山古墳群、柳本立花遺跡等)
【絵画・書跡等修復工房】 當麻寺奥院蔵・當麻曼荼羅図、南法華寺(壷阪寺)蔵・両界曼荼羅図、榮山寺蔵・栄山寺文書、春日大社蔵・競馬図 六曲屛風
【仏像等彫刻修復工房】 光堂寺蔵・四天王立像、安明寺蔵・薬師如来坐像、野迫川村平区・釈迦如来坐像、當麻寺・金剛力士像のうち阿形像
この日、残念だったのは、作業されている方が少なかったこと。絵画・書跡の分野でお二人いらっしゃっただけでした。今から思うと、翌日の上皇ご夫妻訪問に合わせての準備に追われていた? のかと(笑)
それでも、印象深かったのは、あの當麻寺の仁王様。
日本ミツバチが仁王像のなかに巣をつくっていたというあの方です。ついに解体修理されるのですね。
3年前に仁王門で撮った金剛力士、阿形像

修復工房では、仁王様はこちらに背を向けて横たわっていらっしゃったのですが、背筋のみごとなりゅうりゅう感にひきつけられました。
説明では、後ろは見えないからということで手を抜いた彫刻もあるようなのですが、これは、きちんと細部まで力を入れていることがよくわかりました。
詳しい報告が、文化村のスタッフブログにありました(2022.5.25)。搬出作業の写真も。こういう記事はありがたいですね。⇒★
記事をざっとまとめてみると
當麻寺の仁王さん(阿形像)の頭の中に約30年の月日をかけてミツバチが巣を作った。
2021年、約1万匹のニホンミツバチのお引越しが完了。
當麻寺仁王像は江戸時代の作で、ヒノキ材の寄木造、玉眼が嵌められている。大阪仏師であった田中主水家に伝わる仏師系図によると、作者は高福(1766年没)という仏師であると書かれている。仁王門は延享二年(1745)の上棟で、ほぼ同時期の作と考えられる。
阿形像はニホンミツバチの影響で損傷が激しく、また経年の劣化で矧ぎ目が緩んできているので、解体修理が行われることになった。2年間かけて美術院が文化村工房で修理を行う。
阿形像の修理完了後、さらに次の2年をかけて吽形像の修理も。
なら歴史芸術文化村は、4棟から成り立っています。
こちらは、交流にぎわい棟

「道の駅」にも登録されているようです。

農産物をはじめ特産品、お土産物が販売されています。
ホテルも隣接
※なら歴史芸術文化村⇒★
16日、「文化財修復・展示棟」では、ちょうど、修復工房見学ツァーにも参加できる時間だったので迷わず申し込みました。
※13時に参加券を配布。定員10人。14時5分前に東塔模型前に集合。14時から40分のツアーでした。
薬師寺東塔模型

1階には、触って体験できる、校倉造りの隅組なども

1階は写真撮影OKだったのですが、修復工房見学は×
修復工房見学ツァーは、学芸員の解説つき。この日は若い女性でした。ご自分の経験や感想なども交えてわかりやすく解説してくださり、参加者10人ということもあって、和やかないい雰囲気でした。
ツァーは、建造物、考古学、絵画・書跡等、仏像等彫刻の、4分野を巡ります。
ツァーに参加しなくても、フロアから見学できるのですが、参加すると、もう少し身近に様子がわかる特別エリアへ誘導していただけました。
現在修理中の文化財は、HPによりますと
【建造物修復工房】 多坐弥志理都比古神社本殿
【考古遺物修復工房】 天理市内出土品(寺山古墳群、柳本立花遺跡等)
【絵画・書跡等修復工房】 當麻寺奥院蔵・當麻曼荼羅図、南法華寺(壷阪寺)蔵・両界曼荼羅図、榮山寺蔵・栄山寺文書、春日大社蔵・競馬図 六曲屛風
【仏像等彫刻修復工房】 光堂寺蔵・四天王立像、安明寺蔵・薬師如来坐像、野迫川村平区・釈迦如来坐像、當麻寺・金剛力士像のうち阿形像
この日、残念だったのは、作業されている方が少なかったこと。絵画・書跡の分野でお二人いらっしゃっただけでした。今から思うと、翌日の上皇ご夫妻訪問に合わせての準備に追われていた? のかと(笑)
それでも、印象深かったのは、あの當麻寺の仁王様。
日本ミツバチが仁王像のなかに巣をつくっていたというあの方です。ついに解体修理されるのですね。
3年前に仁王門で撮った金剛力士、阿形像

修復工房では、仁王様はこちらに背を向けて横たわっていらっしゃったのですが、背筋のみごとなりゅうりゅう感にひきつけられました。
説明では、後ろは見えないからということで手を抜いた彫刻もあるようなのですが、これは、きちんと細部まで力を入れていることがよくわかりました。
詳しい報告が、文化村のスタッフブログにありました(2022.5.25)。搬出作業の写真も。こういう記事はありがたいですね。⇒★
記事をざっとまとめてみると
當麻寺の仁王さん(阿形像)の頭の中に約30年の月日をかけてミツバチが巣を作った。
2021年、約1万匹のニホンミツバチのお引越しが完了。
當麻寺仁王像は江戸時代の作で、ヒノキ材の寄木造、玉眼が嵌められている。大阪仏師であった田中主水家に伝わる仏師系図によると、作者は高福(1766年没)という仏師であると書かれている。仁王門は延享二年(1745)の上棟で、ほぼ同時期の作と考えられる。
阿形像はニホンミツバチの影響で損傷が激しく、また経年の劣化で矧ぎ目が緩んできているので、解体修理が行われることになった。2年間かけて美術院が文化村工房で修理を行う。
阿形像の修理完了後、さらに次の2年をかけて吽形像の修理も。
なら歴史芸術文化村は、4棟から成り立っています。
こちらは、交流にぎわい棟

「道の駅」にも登録されているようです。

農産物をはじめ特産品、お土産物が販売されています。
ホテルも隣接
※なら歴史芸術文化村⇒★
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なら歴史芸術文化村へ
5月16日、急に思い立って、昨年オープンした「なら歴史芸術文化村」へ行ってきました。
ウワサでは天理駅からずいぶん遠くにあるように聞いていたのですが、地図を見ると
↑西山古墳の近くやん! これは歩いていかないとね。
途中、久しぶりに、塚穴山古墳や西山古墳に寄っていこうっと。
そんなわけで、現地でまず、目に入ってきたのは、屋外の展望台でした。

どんな風景が広がるんやろ、どきどきしながら上がっていくと

これがあの幾坂池のようです。一本桜で有名ですよね。
龍王山、三輪山もちょっと見えています。
西はやっぱり

二上山の、雄岳と雌岳が分かれて見え始めるあたりですね。

芸術文化体験棟の3階にも、展望エリアがありました。

↑中央のこんもりしたのは、西乗鞍古墳。左手が東乗鞍古墳かな
見晴らしを楽しんでから、「山辺の道」展をみて

文化財の修復工房見学ツァーに参加しました。
改めてのご報告にさせてくださいね。
※なら歴史芸術文化村⇒★
ウワサでは天理駅からずいぶん遠くにあるように聞いていたのですが、地図を見ると
↑西山古墳の近くやん! これは歩いていかないとね。
途中、久しぶりに、塚穴山古墳や西山古墳に寄っていこうっと。
そんなわけで、現地でまず、目に入ってきたのは、屋外の展望台でした。

どんな風景が広がるんやろ、どきどきしながら上がっていくと

これがあの幾坂池のようです。一本桜で有名ですよね。
龍王山、三輪山もちょっと見えています。
西はやっぱり

二上山の、雄岳と雌岳が分かれて見え始めるあたりですね。

芸術文化体験棟の3階にも、展望エリアがありました。

↑中央のこんもりしたのは、西乗鞍古墳。左手が東乗鞍古墳かな
見晴らしを楽しんでから、「山辺の道」展をみて

文化財の修復工房見学ツァーに参加しました。
改めてのご報告にさせてくださいね。
※なら歴史芸術文化村⇒★
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内山永久寺跡から朝日寺跡、在原寺跡
「かぎろひの大和路」復刊35号のラストスパート。
とはいえ、2月1日はお水取りイベント(⇒★)のお土産用松明箸の作業に参加、まる1日を費やし、急な頼まれ仕事もかかえて、なかなか一直線に進みません。まだ取材も残しているし^^;
あと、ひと山、ふた山…。
今号の特集は廃寺跡。
といっても、その数は膨大で、シリーズ化するのは必至。今回はおもに、天理~桜井あたりに絞っています。
1月28日、内山永久寺跡から朝日寺跡~在原寺跡(在原神社)と歩いてきました。
コース
天理駅⇒石上神宮⇒内山永久寺跡⇒夜都伎神社⇒朝日寺跡⇒長柄駅⇒(JR)⇒櫟本駅⇒在原寺(在原神社)⇒(上つ道)⇒天理駅
石上神宮から山の辺の道を歩くのはほんとに久しぶり~。柳本から三輪、桜井のほうはよく歩いているんですけどね。
かつては大寺院を誇った内山永久寺。神仏分離・廃仏毀釈のもとに、明治9年廃絶しました。
今はただ、風が吹きすぎるだけー

現地の説明版


多くの堂宇や宝物は破壊されたり、散逸していきました。
そのひとつは、石上神宮の摂社、出雲建雄神社の拝殿として移築され、国宝指定を受けています。

ほかに、どこでどんなものを見ることができるかは、なむさいじょうさんのブログをご参照くださいね。⇒★
しばらくは山の辺の道をハイキング。
寒い時期に歩くの大好き。冬枯れの風景も魅力です。

枝いっばいにつけた小さな桜の花に見とれていると

「梅の花ですかー?」と、立ち止まる若者たち。
感じのいい、親しみやすそうな皆さんで、なぜかワタクシも自然に合流してしまいまして(笑)
どうやら、一人が引率してレクチャーしているような感じ。
「奈良でいちばん初めに咲く桜はどこでしょう?」
「氷室神社」
「正解!」
とか、やってはります。
そこで、ワタクシもそれを受けて
「奈良で、いちばん遅く咲く桜は?」
「吉野山?」
…
ああ、ナラノヤエザクラは、全然有名じゃないのね、やっぱり、とちょっとかなしく思いつつ^^;
結局、夜都伎神社までご一緒したのでした。いやぁ、楽しかった~!

なんと、若者グループは、奈良のホテルにお勤めの方々だったのです!
「お客様によく聞かれるのですが、各地のポイントについて説明することはできても、線としてつながっていないことを実感。これは歩くしかない」ということで、先生をつけて現地学習しているとのこと。この日は天理から三輪あたりまで歩かれるようでした。
すばらしいことですよね! がんばってくださーい。
あ、夜都伎神社では梅の花がほころび始めていましたよ。

ワタクシはそこから、西へ下って、朝日寺跡へ。
墓地の聖観音さま。

長柄駅から櫟本駅まではJR万葉まほろば線で。
貝原益軒の『和州巡覧記』に、「一面に在原寺、裏面に在原神社」とあり、今もそのまま。

↑この石碑の背後には

以上、簡単に写真だけで紹介しましたが、詳しくは『かぎろひの大和路』35号で(笑)
とはいえ、2月1日はお水取りイベント(⇒★)のお土産用松明箸の作業に参加、まる1日を費やし、急な頼まれ仕事もかかえて、なかなか一直線に進みません。まだ取材も残しているし^^;
あと、ひと山、ふた山…。
今号の特集は廃寺跡。
といっても、その数は膨大で、シリーズ化するのは必至。今回はおもに、天理~桜井あたりに絞っています。
1月28日、内山永久寺跡から朝日寺跡~在原寺跡(在原神社)と歩いてきました。
コース
天理駅⇒石上神宮⇒内山永久寺跡⇒夜都伎神社⇒朝日寺跡⇒長柄駅⇒(JR)⇒櫟本駅⇒在原寺(在原神社)⇒(上つ道)⇒天理駅
石上神宮から山の辺の道を歩くのはほんとに久しぶり~。柳本から三輪、桜井のほうはよく歩いているんですけどね。
かつては大寺院を誇った内山永久寺。神仏分離・廃仏毀釈のもとに、明治9年廃絶しました。
今はただ、風が吹きすぎるだけー

現地の説明版


多くの堂宇や宝物は破壊されたり、散逸していきました。
そのひとつは、石上神宮の摂社、出雲建雄神社の拝殿として移築され、国宝指定を受けています。

ほかに、どこでどんなものを見ることができるかは、なむさいじょうさんのブログをご参照くださいね。⇒★
しばらくは山の辺の道をハイキング。
寒い時期に歩くの大好き。冬枯れの風景も魅力です。

枝いっばいにつけた小さな桜の花に見とれていると

「梅の花ですかー?」と、立ち止まる若者たち。
感じのいい、親しみやすそうな皆さんで、なぜかワタクシも自然に合流してしまいまして(笑)
どうやら、一人が引率してレクチャーしているような感じ。
「奈良でいちばん初めに咲く桜はどこでしょう?」
「氷室神社」
「正解!」
とか、やってはります。
そこで、ワタクシもそれを受けて
「奈良で、いちばん遅く咲く桜は?」
「吉野山?」
…
ああ、ナラノヤエザクラは、全然有名じゃないのね、やっぱり、とちょっとかなしく思いつつ^^;
結局、夜都伎神社までご一緒したのでした。いやぁ、楽しかった~!

なんと、若者グループは、奈良のホテルにお勤めの方々だったのです!
「お客様によく聞かれるのですが、各地のポイントについて説明することはできても、線としてつながっていないことを実感。これは歩くしかない」ということで、先生をつけて現地学習しているとのこと。この日は天理から三輪あたりまで歩かれるようでした。
すばらしいことですよね! がんばってくださーい。
あ、夜都伎神社では梅の花がほころび始めていましたよ。

ワタクシはそこから、西へ下って、朝日寺跡へ。
墓地の聖観音さま。

長柄駅から櫟本駅まではJR万葉まほろば線で。
貝原益軒の『和州巡覧記』に、「一面に在原寺、裏面に在原神社」とあり、今もそのまま。

↑この石碑の背後には

以上、簡単に写真だけで紹介しましたが、詳しくは『かぎろひの大和路』35号で(笑)
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